中島さなえ no.107        

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中島らもの娘中島さなえの「いちにち8ミリの。」はどうだ?

設定がユニークな3つの短篇、文章にも破綻はないが…。

いちにち8ミリの。いちにち8ミリの。
中島 さなえ

双葉社 2010-08-10
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 中島らもは好きな作家だったので、その娘のデビュー作となれば読ま
ないわけにはいかない。どういう意味だかよくわからないがタイトルも
なかなかいいし。

 この本には3つの短篇が収められている。最初は、木の上にずっと昔
から住みついているゴリづらと呼ばれる男の子と少女の話「ゴリづらの
木」、忍者の末裔である荒巻小太郎が抜け忍の末裔の男を探し出し殺そ
うとする「手裏剣ゴーラウンド」、そして、表題作になっているちょっ
と長めの「いちにち8ミリの。」。これは簡単に言ってしまえば石と猿
の話。美澄という女性の飼い猿である壮太、その美澄に想いを寄せ、毎
日8ミリだけ彼女の家が見える場所まではいずっている石、そんな彼ら
を待ち受けているのは?

 この短編集、読んでいて、途中でちょっと困った。ここに感想を書く
のだけど、はてさて、どうしたものか?けなす要素はそれほどないが、
ほめるとなるとちょっと難しい。どれも設定がユニークだし、文章にも
それほど破綻はない。表題作などは、ラストに向かっての盛り上がりは
なかなかのもので一番おもしろく読めた。ただ、会話でテーマみたいな
ものをしゃべってしまうとなんだかとてもつまらなくなる。ま、デビュ
ー作だし、という思いと、デビュー作だからこそ、という思いが交錯す
る。中島さなえ、期待できる新人であることには違いない。2作目、3
作目を期待して待ちたい。(No.99)

               ◯ ◯

2010.10.12 今頃になって「考える人」夏号の村上春樹ロングインタ
ビューを読んでいるのだけど、これがすこぶるおもしろい。今まで読ん
だ中でも一番読み応えがある。インタビュー集「夢を見るために毎朝~」
はどうなのだろう?

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