あさのあつこ no.109        

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青春時代小説の傑作、あさのあつこの「火群のごとく」。

火群(ほむら)のごとく火群(ほむら)のごとく
あさの あつこ

文藝春秋 2010-05
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 「火群(ほむら)のごとく」は間違いなく青春時代小説の傑作だ。舞
台は自然が豊かな小国、小舞藩。そこに3人の少年がいる。剣に生きる
真摯でひたむきな若者林弥、十四歳ながら顔も身体もいかつく色里まで
知っている源吾、彼とは正反対ですべてに控えめな和次郎、そこにもう
一人、家老のめかけ腹の子で江戸から呼び寄せられた透馬という少年が
加わる。歳も近い彼らの造形がなんといってもいい

 物語は林弥の兄の死が冒頭で描かれ、その後、透馬と3人の出会い、
透馬の生い立ち、林弥と透馬の剣比べなどが描かれていく。身分も境遇
も違う4人の若者、それぞれがそれぞれの青春を生きている。若者らし
い彼らの会話、剣に対する熱い思い、胸に秘めた淡い恋や生きる苦悩を
あさのあつこはその達者な筆で濃やかに描いていく。若者たちの心象風
景を写したようなせつなく美しい自然描写も特筆ものだ

 これは少年たちの友情と成長の物語だ。しかし、透馬にとっても剣の
先生であった林弥の兄の惨殺事件が物語に影を落とす。その真相を探ろ
うとして彼らが行き着いたその先には…。後半、やや駆け足になってし
まうのが残念だが、終盤は本当に感動的だ。最後の別れの場面もいい。
この物語、続編を読みたい。彼らが一体どんな青年になり、どんな剣の
道を歩むのかをぜひ見届けたいから。(No.106)

◎「火群のごとく」は2013年7月10日、文春文庫で文庫化されました。
火群のごとく (文春文庫)
あさの あつこ
4167722127

               ◯ ◯

2010.11.4 「火群のごとく」を読み終えたので、写真集をペラペラと
めくりながら、次は何を読もうかと思案中。絲山秋子の「妻の超然」に
しようかなぁ。積ん読本は相変わらず減る気配もない。

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