ミランダ・ジュライ no.120        

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「ヘン」だけど現実と地続きの物語たち「いちばんここに似合う人」。

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)
ミランダ・ジュライ 岸本佐知子

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 読み終わったら「卒業」のラストのダスティン・ホフマンみたいに叫
びたくなった。「ミランダぁぁぁぁぁ!!!!」。いやいやだって、こ
れはスゴい。希なる才能、ってのはこういう人のことをいうのだな。ミ
ランダ・ジュライ、映画監督で小説家、16の物語を集めたこの短篇集
はフランク・オコナー国際短篇賞も受賞してる。あ、Twitter文学賞海
外部門の第一位でもありました。

 収録された短篇は、どれもが奇妙、というかかなりヘン。シニカルな
笑いに溢れ、不思議な読後感を持っている、例えば、英国のウィリアム
王子に対する妄想で頭がはちきれそうな中年女の話とか海もプールもな
い町で泳げない老人たちに洗面器一つで泳ぎを教える女の話、会った事
もない友人の妹に劣情を催す老人の話(この結末はぶっとぶ)などなど。
しかし、この「ヘン」は確実に現実と地続きなのである。ククククッと
笑い、アホか、とつぶやきながら読み進めているうちに、主人公たちの
孤独にコトリと突き当たっちゃう。たぶん、それは自分も持っているも
のだからアヤヤヤヤとなってしまうのだ。でも、ミランダは「それがデ
フォルトなのよ」「そんなもんなのよ」「別に珍しくもなんともないの
よ」って言ってるような気がする。否定も肯定もせず、ただ側にいてく
れるだけの人、のような小説。いいなぁ、ミランダ・ジュライ。いった
いどこから、彼女のような才能はやってくるのかな?訳者、岸本佐知子
にも感謝!!!(No.138)
               ◯ ◯

2011.3.2 ISIS本座の昨年末のクリスマス企画で当たった「茨木のり子
集 言の葉1・2・3」がやっとやってきた。うれしい。茨木ワールド
にじっくり浸りたい。読書は「卵をめぐる祖父の戦争」に突入。


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