村上たかし no.123        

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犬たちの無垢な瞳が心を打つ。村上たかし「星守る犬」。






星守る犬
村上 たかし
4575301434
続・星守る犬
村上 たかし
4575303003

 昨年、話題になったコミック「星守る犬」をやっと読んだ。続編も出
たらしいが、まずは最初の一冊の感想を。

 辞書にもあまり載っていないのだが慣用句として「星守る犬」という
言葉があるらしい。ここでの「守る」は「じっと見続ける」という意味。
決して手に入らない星を眺めていることから転じて「高望みをしている
人のこと」を言うのだそうだ。ふ~ん…知らなかった。

 この「星守る犬」には表題作と「日輪草(ひまわりそう)」、2つの
物語が収められている。表題作は(巻頭でわかることなので書いてしま
うが)、車の中で遺体で発見された男と寄り添うように死んでいた犬の
物語。「日輪草」は、身元不明とされたこの遺体を引き取ったケースワ
ーカーの話だ。前者では、一人と一匹の死に至るまでが描かれ、後者で
は、ケースワーカーが彼らの身元を逆にたどっていく。

 話自体はシンプルだが、やはりこういう物語はグッと来る。「日輪草」
の主人公奥津が昔飼っていた犬に対して、「私は私の犬に何をしてやっ
たか?」「…もっと遊んでやればよかった」「もっとたっぷり散歩をさ
せてやればよかった」「気の済むまでガードレールやら縁石やら電柱の
においをかがせてやればよかった」「もっと…恐れずに愛すればよかっ
た…」と独白するシーンは涙なしでは読めない。絵のタッチは好き嫌い
が分かれるかもしれないが、登場する犬の無垢な瞳には誰もが心を打た
れるだろう。これはもっともっと長い物語にすることもできたはずだ。
それを120ページ程度にまとめたところに作者と編集者のセンスを感じ
る。これ西田敏行主演で映画になるんだなぁ。「続・星守る犬」の方は
別の犬の話らしい。どちらもちょっと楽しみである。(No.141)

               ◯ ◯

2011.4.7 井の頭公園の桜は満開のようです。夕方散歩に行った妻に
よると今日は土日並みの人出らしい。宴会自粛って言ったってね。

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