いがらしみきお no.134        

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驚くべき物語が幕を開けた。いがらしみきお「I(アイ)」。

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)
いがらし みきお

小学館 2011-07-29
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 いがらしみきおがただものではないことは「ぼのぼの」を読めばわか
る。いや、あの「いぢめる?」というひと言だけで彼のスゴさはわかる
はずだ。さてさて、そんないがらしの最新作である。本当にこれにはぶ
っ飛んだ。仙台に暮らす作者がこの物語の舞台に選んだのは宮城の田舎
である。登場人物が「オレ友だちいねもの」「返事すろコノヤロ」とい
う感じでしゃべり、その絵も洗練とはほど遠いドロドロとした絵である。
個人的にはこういう話もこういう絵も苦手なので、ゲェ~などと思いな
がら読み進めていった。ところがところが、読んでいくうちにそんなこ
とはすべて吹き飛んでしまう。絵のタッチなどどうでもよくなってしま
うのだ。表面上の表現など突き抜けたところにこの物語はある。帯の裏
で作者は「幼い頃からずっと考えてきた、生と死のこと。命の意味。そ
の先にある"答え"を、今なら描ける気がする」とコメントしている。

 母の死と共に生まれ、幼い頃から貧困と共にあったイサオ。彼はいつ
の間にか不思議な能力を持つようになる。裕福な医者の家に生まれなが
ら小学生の頃から「オレはなぜ生まれてきたのだろう」とこの世界に違
和感を感じている雅彦。この2人が物語の主人公だ。「見だらそうなっ
てすまう。人間は必ず見ですまうのさ」「神様いだど。誰も見でねえど
ごさいだど」、時々、イサオが放つ言葉が読む者の心をえぐる。この2
人はいったどこに向かうのだろうか?この奥深く熱を帯びた物語は、今
まさに始まったばかりだ。(No.175)

               ◯ ◯

2011.10.7 コンピュータはMacしか使った事がない。スティーブ・ジ
ョブス、56歳。あまりに早い死。アップルが彼の遺志をしっかりと継い
でくれますように!!


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