和田竜 no.139        

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100万部超の大ヒット作!でも、もの足りない和田竜「のぼうの城」。






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 2007年発売で現在は100万部を軽く突破している大ヒット作、和田
竜の「のぼうの城」を読む。天下統一をめざす秀吉の北条家討伐、支城
である忍城攻めの総大将は石田三成。受けて立つのが父の死で城代にな
った成田長親だ。「のぼうの城」ののぼうとはこの男のこと。でくのぼ
うを略してのぼう。身体はやたらとデカイが馬にも乗れず、不器用で何
を考えているかわからないこの男、領民にまで「のぼう様」と呼ばれて
いる。実はこの三成軍との戦い、当主の意向ですでに降伏が決まってい
た。確認のために出向いた使者にこののぼう様、「戦いまする」と言い
放ってしまうのだ。2千対2万。さて、このいくさ、どう戦う?

 これは史実である。この戦いに目をつけた作者はさすがだし、のぼう
を初めとする登場人物のキャラもいい。エピソードもなかなかおもしろ
い。しかし、この小説、残念ながら「それだけ」なのだ。それだけでも
それなりにおもしろく、これほどのヒットになった。ううむ、もったい
ない。素材はいいけれど料理がヘタというか、あと100倍はおもしろく
なるのに…。特に「いいキャラ」を活かしきってないのが惜しい。のぼ
うの「得体の知れぬ将器」も見えて来ないし、他人にも強く美意識を求
める敵役三成のおもしろさも今ひとつだ。キャラが立たないからどうし
ても物語が平板になってしまう。時代物で100万部突破は確かに快挙。
でも、読む人によってはかなりのもの足りなさを感じる作品だと思う。
(No.190)
               ◯ ◯

2012.2.21 明日は窪美澄の新作が出る。ドキドキ!(一部書店では昨
日から出てるとか)読書は朝井リョウ「もういちど生まれる」が終わっ
たので、明日から早速「晴天の迷いクジラ」に。

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