赤瀬川原平 no.145        

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絵を見る本当の楽しさがわかる、赤瀬川原平「フェルメールの眼」。

[新装版] 赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼[新装版] 赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼
ヨハネス・フェルメール 赤瀬川 原平

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 昨日から上野の東京都美術館で「マウリッツハイス美術館展」が始ま
った。フェルメールの作品の中でも特に有名な「真珠の耳飾りの少女」
が出展されるので初日からかなり盛り上がったようだ。実はこの絵、初
来日ではない。1984年に来日していて僕はそれを見ている。その時
は今ほどブームじゃなかったからジックリ観られたけどなぁ。今回は混
み混みだろう。

 さて、フェルメールの本はこのブログでも紹介しているが、今度、新
装版が出た「フェルメールの眼」は、赤瀬川原平らしい視点で希有な存
在であるこの画家に迫っていてなかなかおもしろい。「フェルメールの
絵は、光学的で、神秘的だ」「光学的、つまり科学的であることがどう
して神秘的なのか」、彼がフェルメールに魅かれたのは「そういう妙な
感触」なのだそうだ。なるほど。この感じ、よくわかる。

 冒頭の一文でこう語った後、その後は現存する36の絵について彼がひ
とつひとつ解説していく。とはいっても赤瀬川さんのこと、ヘンにアカ
デミックになっていないのがいい。「視線のビリヤード」「視線のベク
トル」「視線の着地」などなど、フェルメールの視線へのこだわりと大
胆な筆致に触れた話が特におもしろい。この本を読めば、絵を見ること
の楽しさやそれを自分の言葉で語ることの楽しさがわかるはず。個人的
にはかなりおすすめの一冊だ。

 新装版は元版よりかなり小さくなり、「真珠の耳飾りの少女」が表紙
になっている。美術展を意識したのはみえみえだが、元版通り、この絵
に対する感想はなぜか短い。どうせならもう少し加筆してもらったら、
とも思うのだが、赤瀬川さんはそんなことしないのだろうな。(No.203)

◯もうひとつのフェルメール本、「盗まれたフェルメール」書評はコチラ

               ◯ ◯

2012.7.1 7月だ。宮部みゆきの「おまえさん」はおもしろいけれど、
なかなか終わらない。遅読の僕はちょっとでも時間があれば本を取り出
して…。

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