谷口ジロー no.16        

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【書評】谷口ジロー「千年の翼、百年の夢 豪華版」

◇ルーヴルの歴史を知り、魅力に迫る、時空間を超えた物語。
千年の翼、百年の夢 豪華版 (ビッグコミックススペシャル)千年の翼、百年の夢 豪華版 (ビッグコミックススペシャル)
谷口 ジロー

小学館 2015-02-18
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 ルーヴル美術館がその魅力を世界に発信するために漫画家たちの作品
を出版するという「ルーヴルBDプロジェクト」の中の一冊。それにして
もこれは素晴らしい。通常版とオールカラーの豪華版があるけれど、豪
華版がおすすめ。大判だし、谷口ジローの絵の魅力がグイグイと伝わっ
てくる。高いけど…。う〜む、高いけど絶対にこっちだっ!

 物語の主人公は作者の化身ともいえる漫画家の男。国際マンガフェス
ティバルの帰りに美術館巡りのためにパリに立ち寄った彼は、着いた途
端に体調を崩してしまう。なんとか持ち直して、翌日ルーヴルに出かけ
るのだが、またフラフラしてきて…。ここから夢のようなうつつのよう
な不思議な物語が幕を開ける。その先導役になるのが美しい女性に変身
したあの「サモトラケのニケ」。これだけでとても盛り上がる。

 男はルーヴルを訪れるたびに時空間をさまようことになる。そこでは
風景画家コローの素描画の森に迷い込んだり、コローを敬愛する明治の
画家浅井忠に出会ったり。ゴッホ最期の地オーヴェルに出向けば、そこ
でもまたゴッホ自身が写生をしていたり。特に、ニケが語るナチス侵攻
からルーヴルの絵画を守った男の話には強く心を揺さぶられる。

 これはまさにルーヴルの歴史を知り、その魅力に迫り、同時にアート
というものの素晴らしさを再確認できる物語だ。谷口の絵の巧さは言う
までもないが、コローの絵などを見事な筆致で再現してみせるそのテク
ニックには驚いた。必読!(No.357)

通常版はこちら。
千年の翼、百年の夢 (ビッグコミックススペシャル)
谷口 ジロー
4091868541

◯谷口ジローのその他の本のレビューはこちらから。
※一番上にはこのページが出ます。 

            ◯ ◯

2016.5.2 5月になっちゃった。っていうか黄金週間ですが。まぁ、
あまり関係なし。読書は吉田修一の「橋を渡る」。

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【書評】久住昌之×谷口ジロー「孤独のグルメ2」

◇一人飯の微妙な楽しさがたまらない!
孤独のグルメ2孤独のグルメ2
久住 昌之 谷口 ジロー

扶桑社 2015-09-27
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 18年ぶりの2である。全13作すべて新作!不思議なのはドラマにも
なっていてネタもたくさんあって、累計80万部の人気作なのになぜ続編
までこんなにかかったのか??谷口さんが忙しかったのかなぁ。謎…。

 で、もう最初の静岡青葉横丁の汁おでんから心を奪われる。そうかぁ、
汁おでんってこういうのかぁ。なんだかうまそう。さらに、ドンドンと
読み進めていくうちに「孤独のグルメ」のおもしろさを再確認していく。
一人飯の微妙な楽しさがいい。主人公井之頭五郎氏の大食ぶりがいい。
食いながらのつぶやきに味があるのがいい。

 で、五郎氏、一冊目でも喧嘩したのだが、またまたやっちゃう。部下
に酒を無理強いしてる上司に「やめなさいよ」と一声。「人生には…大
嫌いなものを黙って食べなきゃならない時もある」「だけど食うのは自
分で決めること 他人にその自由を奪う権利はない」とタンカをきる。
この後、追いかけてきたこの上司を投げ飛ばしちゃうのだ。ははははっ、
パチパチパチ。この一編は三鷹のお茶漬け屋が舞台で小津安二郎の「お
茶漬けの味」がからんでいるのだが、映画のセリフ「気安いのが好きな
んだ」、は、まさに孤独のグルメのテーマではないか。ドラマもいいけ
ど、やっぱコミックがいいな。鳥取のスラーメン、食べたいなぁ。
                           (No.345)

◯谷口ジローの他のコミックの感想はこちらから。
※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.12.2 師走です。中途半端な仕事が多くて落ち着かない気分。読
書は小川洋子「琥珀のまたたき」。今年中に読みたい本がたくさんある。

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谷口ジローの手で蘇る江戸の町、「ふらり。」がいい。

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谷口 ジロー

講談社 2011-04-22
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 帯のコピーに「谷口ジロー江戸を歩く」とあったので、これはてっき
り江戸版「散歩もの」かと思った。「散歩もの」は久住昌之&谷口ジロ
ーという名コンビが生んだ街歩きコミックの傑作だ。その江戸版ならか
なり楽しいのでは、と思ったのだ。ところが、ところが。この主人公、
なんだか不思議なのだ。一歩、二歩、三歩と数えながら町と町の間を歩
いている。いわゆる「歩測」というやつだ。もちろんそんなことをしな
がらも彼は「江戸の町」を楽しんでいる。物売りの声、四季折々の行事、
行き交う人々の様子、自然の移ろい…、それはまさに江戸そのものであ
る。谷口の描写はいつも同様にとてもこまやかだ。まず、ストーリー中
心に読んで、次は絵を楽しみながらじっくりと読む。あ~いいなぁ、谷
口ジローの江戸。鯨や象、若き日の一茶との邂逅も楽しい。

 男は時々、夢見心地となり、いつの間にかとんぼになって空を飛んだ
り、亀になって日本橋川を泳いだり、蟻になって地面を歩む。その自在
な魂!すでに隠居の身であるこの男、「子午線一度がどれほどの距離な
のか」「地球はどれほどの大きさなのか」を知りたいらしい。そして彼
は、最終的に北の地へと赴くことになる。そう、この男、実は教科書に
も登場するあの人なのだ。この物語は1巻完結だが、谷口ジローの江戸
ものへの期待はさらにさらにふくらんだ。(No.150)

               ◯ ◯

2011.5.8 今日でゴールデンなウィークも終わりですね。やれやれ…。
bk1の「今週のオススメ書評」に「卵をめぐる祖父の戦争」が選ばれま
した。そのページはこちら(今週木曜まで)。ブログの紹介はこちら
す。

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つぶやきに何とも味がある、谷口ジローの名作『孤独のグルメ』。

孤独のグルメ (扶桑社文庫)孤独のグルメ (扶桑社文庫)
久住 昌之 谷口 ジロー

扶桑社 2000-02
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 18の話がおさめられたコミック連作。タイトルをちょっと紹介しまし
ょう。「東京都台東区山谷のぶた肉いためライス」「東京発新幹線ひか
り55号のシュウマイ」「東京都杉並区西荻窪のおまかせ定食」「東京都
内某所の深夜のコンビニ・フーズ」「東京都豊島区池袋のデパート屋上
のさぬきうどん」「東京都渋谷区渋谷百軒店の大盛り焼きそばと餃子」
という感じ。主人公は、井の頭五郎という輸入雑貨の貿易商。納品や商
談ついでにふらりと立ち寄った店が舞台になる。といってもいつもひと
りだから、ほとんどのセリフが心の中のつぶやきだ。「(いや…だけど
…うまそうだ…)」「(これでライスをやってないなんて…残酷すぎる)」
「(うん こういうタイプか)」「(なるほどうまいうまい)」。ドラ
マらしいドラマはほとんどない。男が店を探し、入り、メニューに迷い、
食べて、出てくるまで。それでもおもしろいのは、このつぶやきに味が
あるからだ。

 グルメとはいってもタイトルでわかるように高級な店は登場しない。
しかし五郎氏は、食べることに大いにこだわっている。1話だけ、中国
人?の従業員をしかり飛ばす店主と彼が喧嘩をする、というエピソード
がある。五郎氏は店主に言う。「モノを食べる時はね 誰にも邪魔され
ず 自由で なんというか 救われてなきゃあ ダメなんだ 独りで静
かに豊かで…」、これこそまさに「孤独のグルメ」。原作はあの久住昌
之(あとがき代わりのエッセーが絶品)。谷口ジローはもっともっと読
まれていい漫画家である。(No.122)

               ◯ ◯

2010.12.21 今はジェフリー・ディーヴァー「ロードサイド・クロス」
と木皿泉「二度寝で番茶」を併読中。どちらもおもしろい。最近このブ
ログには「本の雑誌ベスト10」で検索して来てくれる人が多い。


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谷口ジローの自伝的コミック「冬の動物園」がなんともいい。

冬の動物園 (ビッグコミックススペシャル)冬の動物園 (ビッグコミックススペシャル)
谷口 ジロー

小学館 2008-03-28
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 独特のテイストを持つ谷口ジローが描いた自伝的なコミック。こうい
う漫画家物語というのは大体おもしろいのだが、谷口となるとさらに期
待は高まる。彼の語り口は「歩む」ような感じがあって、なんだかいい
のだ。「歩む」というのもおかしな表現だが、自らにゆっくりと問いか
けるような感じ、けっして先を急がずうつむきがちに歩いているような、
そんな表現。「散歩もの」という名作もこのスタイルがあってからこそ
だ。昭和の時代の一青年の物語を語るのにもこの語り口はぴったりだと
思った。

 昭和41年の京都、そして上京した昭和42年の東京から物語は始まる。
当時の風俗など背景的なことはもちろんのこと、10歳年上の兄、アシス
タント仲間、マンガ雑誌の女性編集者など人物が見事に活写されていて
物語がいきいきとしている。京都時代の社長の娘とのエピソード、プロ
になるための投稿漫画の話、茉莉という娘との淡い恋もなかなかいい。
しかし、僕が一番魅かれるのは、兄が上京したときのエピソードだ
父親がわりで怖いとさえ思っていた兄が初めて語る自分の夢。画家志望
だったという兄は、メチャクチャとも思える弟や彼の友人たちの暮らし
に理解を示し「こういうんが、自由いうんですかねえ」」と憧憬の言葉
すらもらすのだ。夢を生きる主人公と挫折を知るその兄、そこで交錯す
る様々な思いが読む側にも伝わって来て、なんとも切ない
。(No.100)

               ◯ ◯

2010.10.16 書評の最後にNo.100ってあるでしょ?これは紹介した本
の数です。途中から思い立って付けたから間違ってるかもしれないけど、
たぶんこれで100冊目になります。どこかに書評ブログは100冊越えれ
ば一人前なんて書いてあったけど本当かなぁ??

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コミック版「センセイの鞄」、第2巻が出たっ!

川上弘美×谷口ジロー、こんなコラボ、贅沢過ぎる!
谷口ジローという漫画家は特にヨーロッパでの人気が高く、幾つか賞も
取っている。彼が欧州で人気があるというのはとても良くわかる。例え
ば「孤独のグルメ」のような食をテーマにしたものを描いた時でさえ、
彼の漫画はとても思索的なのだ。フランスの漫画家ジャン・ジローなど
の影響を受けたそのタッチもまた、あちらの人には魅力的なのだろう。
そんな谷口が川上弘美の名作を手がけた「センセイの鞄」。これはどち
らにとっても、ちょっと怖い挑戦のはず。でも、両者が認め合ってるか
らこそ実現したコラボに違いない。

小説「センセイの鞄」は、馥郁とした文章がいい。やさしく、やわらか
く、ふんわりとしてる。それでいて深みがある文章。年老いたセンセイ
と37歳のツキコさんの恋物語はなんだかおかしくて、悲しくて、苦しく
て。それが谷口さんの絵でリアルに動き出すとどうなるか。ちょっと心
配もあったが、まさにそれは川上ワールド!そしてもちろん谷口ワール
ドでもあった。原作を逸脱することなく、しかし、谷口さんらしい語り
口がなんとも素敵なのだ。第2巻、本日発売です。

センセイの鞄 1 (アクションコミックス)
谷口 ジロー
4575942464

センセイの鞄 (文春文庫)
4167631032


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