木皿泉 no.160        

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

心に届く言葉がある。木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」。

昨夜のカレー、明日のパン昨夜のカレー、明日のパン
木皿 泉

河出書房新社 2013-04-19
売り上げランキング : 1018

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 「すいか」「Q10」などの夫婦脚本家木皿泉の初めての小説は8編
からなる連作小説集だ。その家にはテツコという女性と彼女のギフ(義
父)が一緒に住んでいた。テツコの夫一樹は7年前に亡くなり、2人は
それぞれ喪失の思いを抱えたまま生きている。一樹の幼馴染で隣家に住
むムムム、テツコとの結婚を望む岩井、一樹のいとこの虎尾など、まわ
りにいる人々との交流の中で2人は少しずつ自分を取り戻していく。

 「昨夜のカレー、明日のパン」には常に生と死があり、生きることへ
の問いかけがある。日々の「暮らし」が描かれ人生が描かれ、変わりな
がらも生きていく人々が描かれている。人の言葉の力、忘れてはいけな
いもの、年をとるということ…。

 木皿泉らしさは小説になっても変わらない。いろいろな意味で心にグ
ッと来るのは、僕たち凡人が日常のいろいろな場面で「思ったり」「感
じたり」「気づいたり」しながらも、言葉にはできずそのまま忘れちゃ
っている「大切なこと」を木皿泉はちゃんと言葉にしてくれていること
だ。それは名言として届いたり、なにげないフレーズとして心にスッと
入ってきたりする。もちろん、独特のユーモアやペーソスも忘れたりは
しない。だから、テツコやギフだけでなく、読者である僕らもなんだか
元気になって来るのだ。元気、というか、人生を肯定できちゃうのだ。

 個人的には、ギフの妻を描いた「夕子」と異様におかしい「男子会」
が好き。ラストは死んだ夫のこと「一樹」。これを最後に持ってくるな
んて…。この構成、そして、このタイトル!木皿泉ってやっぱりスゴい。
(No.239)

◯木皿泉のその他の本のレビューはこちらから。

◎「昨夜のカレー、明日のパン」は2016年1月7日、河出文庫から文庫
 になりました。
昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)
木皿 泉
4309414265

               ◯ ◯

2013.5.15 なんだかやたらと暑いじゃないか。やれやれ。読書は村上
春樹のあの長いタイトルのやつにやっとこ突入。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。他の書評ブログもここから。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
スポンサーサイト

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

脚本家木皿泉の見事な職人技!「Q10シナリオBOOK」。

Q10シナリオBOOKQ10シナリオBOOK
木皿 泉

双葉社 2011-01-19
売り上げランキング : 1654

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ドラマのシナリオ本はけっこう読んでいる。倉本聰と向田邦子のもの
が多い。この木皿泉もそうだが、彼らのシナリオは絵がついてももちろ
んなのだが、つかなくてもすごくおもしろい。というより、つかない方
がさらにおもしろい、そんな感じがする。

 さて、昨秋のドラマではダントツにおもしろかった「Q10(キュート)」
のシナリオ集だが、これはまさに青春のドラマだ。その真っただ中で逡
巡する若者たちのドラマだ。テーマになるのは愛だったり勇気だったり
信頼だったりするのだけど、それを真っ向から扱えばとたんにドラマは
ウソっぽくなる。そのことを木皿泉はよく知っている。だから彼ら(木
皿泉は夫婦のペンネームです)は未来から来たロボットと言う異形のも
のをこの物語の中心に置いたのだ。大きなウソがあるからこそ青春の物
語もキチンと描ける。ま、木皿泉の場合、それだけではなく、シニカル
な笑いやおかしなキャラクターを置くなど、彼らなりの技がたくさんあ
るような気がするけれど。いずれにしても「ウソっぽさ」やそれをその
まま描くことの「恥ずかしさ」を知っている人が書いているからこそ木
皿ドラマはおもしろいのだ。
 
 なんだかえらそうなことを書いちゃったが、とにかく「Q10」は最高。
「戦争を知らない子供たち」や「風」「さらば恋人」など昭和の名曲が
歌われ、「死ぬほど考えるの。それが後悔しない、たったひとつのやり
方よ」などなど多くの名言が飛び交い、貧困やいじめ、おたく、引きこ
もり、病気など多岐の話題が取り上げられ、主人公たちはもちろんのこ
とワキのキャラクターまで見事に描かれているこのドラマはあの「すい
か」以上の傑作かもしれない。そして、ラスト!!Q10はいったいどう
なるのか?このラストの見事なこと。青春を生きる皆さんはもちろん、
昔青春だった人々にもぜひ読んで(&見て)もらいたいドラマだ。あ、
DVDも出てんのね。「ぱふ!」(ぱふはQ10語で「うん!」)(No.134)

『Q10』DVD-BOX
B004774X2I

               ◯ ◯

2011.2.12 なんだかこの雪かみぞれか雨かようわからんものがシ
トシトと降ってるのもヤだなぁ。只今一人静かに「二人静」読書中。

◎応援クリックよろしくお願いします。他の本の情報もここからどうぞ!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

脚本家・木皿泉「二度寝で番茶」で本音炸裂!!

二度寝で番茶二度寝で番茶
木皿 泉

双葉社 2010-09-28
売り上げランキング : 1656

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 木皿泉、脚本家である。木皿氏が手がけた作品、「やっぱり猫が好き」
「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「セクシーボイスアンドロボ」
「Q10」、どれもすごくおもしろかったし、深く心に残る作品だった。
昨秋のドラマ「Q10」はロボットという異端のものを登場させることで
青春の危うさを際立たせていて素晴らしい。1話1話にテーマがあって
それを青春テイストで見事に仕上げている。そんな、木皿氏の初エッセ
イとならば読まないわけにはいかない。あ、「木皿氏」などと書いたが、
実はこれ夫婦2人のペンネーム。なんとドラマは共作だったのだ。この
本の中で大福とかっぱと呼ばれる2人、さぞやおしゃれな夫婦だろうと
思ったら、いやぁ~そこらにいそうな関西のおっちゃんとおばちゃん、
って感じ(本に写真はないのでネットで調べた)。あらあらあら~。

 ま、それはそれとして「二度寝の番茶」である。これ、めちゃくちゃ
おもしろい。このおっちゃんおばちゃんコンビが何であんなにステキな
ドラマを作れるのか、対話形式で書かれたこのエッセイを読めばよくわ
かるのだ。本音炸裂で語られるその内容は…たとえば…「(学校に入っ
たらまず)「友達をいっぱいつくらなきゃダメですよぉ」って、言うで
しょう。アレが(いじめの)一番の元凶だと思う」とか「昭和の一家団
欒ってほのぼのしてるイメージだけど(中略)いろんなことをぼやかし
ていたからこそ成り立っていたのかもしれません」とか「よく考えたら
教室にいる子供達はみんな寂しいなぁと思えてきて」とか「若い女の子
が恋をしたいというのは、自分を変えたいと言っているようにしか、私
には聞こえないんですよね」とかとか、示唆に富んだコメントがいっぱ
い。「わかってる!」人々なのです。木皿ドラマのファンならこれはも
う必読の一冊!(No.126)

               ◯ ◯

2011.1.12 リディア・デイヴィス「話の終わり」を読んでおります。
おぉぉぉぉこれは!なんだかすごいなぁ。うむむむむ。

◎応援クリックよろしくお願いします。他の本の情報もここからどうぞ!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

プロフィール

オクー

Author:オクー
コピーライターであるようだ。
吉祥寺にいるようだ。
そんなに若くはないようだ。
犬ブログもよろしく!

okuuuをフォローしましょう
更新情報はツイッター
フェイスブックで。
Akihiko Okumura

amazon
電子書籍で探す!
映画・ドラマなら
News
最新記事
お気に入りリンク
ブログランキング
blogram投票ボタン
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブログ村
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。