馳星周 no.167        

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人と犬との絆の深さを描いた物語、馳星周「ソウルメイト」。

ソウルメイトソウルメイト
馳 星周

集英社 2013-06-05
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 登場する犬の名を付けた7つの物語からなる短編小説集だ。チワワ、
ボルゾイ、柴、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ジャーマン・シ
ェパード・ドッグ、ジャック・ラッセル・テリア、バーニーズ・マウン
テン・ドッグの7話。舞台は著者が住んでいるという軽井沢近郊が多く、
ラストのバーニーズは彼自身が飼っていた犬種らしいので、どうしても
イメージがダブってしまう。

 「ソウルメイト」は、人と犬、犬と人との深い絆を描いた物語だ。登
場する人間たちは決して幸福とは言えない。不幸ではない人間もどこか
心がギスギスしている。妻と娘たちに見捨てられた男、新しい父に慣れ
ることができない小学生、震災で母を亡くしたワインコーディネーター、
離婚寸前の夫婦などなど。彼らのそばにはただそこにいるだけで気持ち
が安らぐ犬たちがいる。犬たちはいつしかそばにいる人間たちの心をと
らえ、魂の交流が始まる。

 特に印象的だったのは、被災地で母の愛犬と再会する「柴」、そして、
死の宣告をウケたバーニーズとの別れを描いたラストの「バーニーズ・
マウンテン・ドッグ」だ。特に最後のこの話は、犬好きにはたまらない。
バーニーズには遺伝性の疾患として「組織急性肉腫」という病気がある
のを初めて知った。それにしても、この別れ…辛すぎる。

 その最終話に登場するフレーズ、「犬は人間の魂の伴侶だ。人は犬を
よく理解し、犬も人をよく理解する。他の種族間には存在しえない深い
絆を持つ」、魂の伴侶=ソウルメイト、愛犬と飼い主との関係は、まさ
にこの言葉に尽きる。そして、彼らとの日々がどれだけ人間を救ってい
るか、この7つの物語を読むことで僕らはそれを確信するのだ。
(No.256)

◎「ソウルメイト」は2015年9月18日、集英社文庫で
文庫化されました。
ソウルメイト (集英社文庫)
馳 星周
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              ◯ ◯

2013.9.23 うちのジャックは、あまりに元気すぎてドラマチックな小
説になんかなりようがない。読書は綿矢りさ「大地のゲーム」。な、な
んだこれは!

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