谷川俊太郎 no.174        

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【書評】谷川俊太郎・江頭路子「せんそうしない」

◇まさに言葉の力を感じさせる静かで力強い反戦の絵本。
せんそうしないせんそうしない
谷川 俊太郎 江頭 路子

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 戦後70年のこのモヤモヤ。この時期にこんなタイトルの絵本を出し
たのには、当然、意図するところがあるわけだ。それにしてもこれスゴ
いよなぁ。

 「ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない」

 という見開きページで始まるこの絵本。たくさんのちょうちょの絵と
共に表紙にも登場する小さな男の子と女の子が描かれている。やさしく
やわらかな江頭路子の絵がいい。ちょうちょの後は

 「きんぎょと きんぎょも せんそうしない」
 「くじらと くじらは せんそうしない」

 と続く。男の子たちはどうやらどこかに遊びにでかけるらしい。そう
か、海へ。友だちも合流して笑顔がパッと広がる2人!そして、谷川俊
太郎の言葉は真摯に戦争、そして、死を語っていく。しかし、すごいの
は…最後の2つの見開きだ。震撼した。ううむ、こういうところに持っ
てくるんだ…。強い余韻と広がりを残すこのラスト!まさに言葉の力を
感じさせる静かで力強い絵本だ。(No.334)

◯谷川俊太郎のその他の本のレビューはこちらから。
※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.8.12 連続猛暑日は途切れたものの、個人的に苦手なヘンに蒸し
暑い日々が続いている。やれやれ。読書は朝井リョウ「武道館」がもう
少しで終わる。

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【書評】パウル・クレー・谷川俊太郎「クレーの天使」

◇天才×天才の時空間を超えた見事なコラボ。
クレーの天使クレーの天使
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 少し前に紹介した「クレーの絵本」はクレーの絵と谷川俊太郎の詩が
見事に融合していて素晴らしかったが、同様の企画でもう一冊あった。
じゃじゃじゃ〜ん「クレーの天使」!!!!これがまたまたいいんです
よぉぉぉ。

 クレーの絵の中でも最も有名な「天使シリーズ」。その中の45点と
谷川さんが書き下ろした天使を歌った詩17編。これは「クレーの絵本」
よりさらにクオリティが高い。というより、「天使シリーズ」って本当
にすごい、と改めて思った。こんな線、誰にも描けない。というか、こ
ういう絵を描くクレーが恐ろしい。知らない人も、この表紙の絵を見た
だけでも分かってもらえると思う。

 谷川俊太郎の詩は、その天使たちの中にあるものを直感的に探り当て
て言葉にしている。まさに天才的である。「クレーの天使」は、時空間
を超えた天才×天才のコラボ、と言ってもけっして言い過ぎではない。
では、先回同様、お気に入りの詩をひとつ。(No.294)


ミス・エンジェル


なにひとつうみおとさなかった
このよには

それなのにいつも
はらんでいた
めにみえぬもの

おんなになってはいけないのに
はなばなにちちをふくませ
そよかぜのことばであいをささやき
おとこたちのあたまのうえをとびまわり
ほしにほほえみかけた

あのよに
こびて

◯「クレーの絵本」ほか、谷川俊太郎関連の本のレビューはこちらから。 

            ◯ ◯

2014.8.2 いやいやちょっと暑いではないか。8月ではないか。うう
む。読書は角田光代「平凡」。この人はやっぱりすごいなぁ。

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【書評】パウル・クレー・谷川俊太郎「クレーの絵本」

◇そこには強く言葉を誘発する絵があった。
クレーの絵本クレーの絵本
パウル・クレー 谷川 俊太郎

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 もう終わってしまったがこのブログでも紹介した「かないくん展」を
見に行った時、最初に掲げられていた谷川俊太郎さんの詩が強く印象に
残った。この展覧会は「死」をテーマにしたものだった。

死と炎

かわりにしんでくれるひとがいないので
わたしはじぶんでしなねばならない
だれのほねでもない
わたしはわたしのほねになる
かなしみ
かわのながれ
ひとびとのおしゃべり
あさつゆにぬれたくものす
そのどれひとつとして
わたしはたずさえてゆくことができない
せめてすきなうただけは
きこえていてはくれぬだろうか
わたしのほねのみみに

 気になって原典を調べたらこの本に収録されたものだった。「クレー
の絵本」には、40点のクレーの絵とそれに誘発された形で作られた谷
川俊太郎の詩が収められている。僕は昔はモネだとかある意味わかりや
すい印象派の画家たちの絵が好きだったが(今でも好きではある)、マ
ティスだとかクレーだとかの絵にしだいしだいに興味が移ってきた。

 あとがきの中で谷川さんは言う。「クレーの絵は抽象ではない。抽象
画には精神は住めても魂は住めない。言葉でなぞることは出来ないのに、
クレーの絵は私たちから具体的な言葉を引き出す力をもっている」と。
あぁ、そうだよなぁと改めてクレーの絵を見て思った。そして、そこか
ら生まれた谷川さんの詩も、深く、しかも輝いている、と。(No.290)

◯谷川俊太郎×松本大洋「かないくん」の書評はこちら。 
◯「かないくん展」の紹介はこちら

            ◯ ◯

2014.6.29 さてさてワールドカップも決勝トーナメントへ。日本のこ
とはとりあえず忘れて楽しみたい。読書は「百舌の叫ぶ夜」が読了間近。

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【書評】谷川俊太郎 × 松本大洋「かないくん」

◇詩人と漫画家、魂のこもった共同作業。
かないくん (ほぼにちの絵本)かないくん (ほぼにちの絵本)
谷川俊太郎 松本大洋

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 「谷川俊太郎が、一夜で綴り、松本大洋が、二年かけて描いた。」とい
う惹句にまずは激しく心を惹かれた。谷川さんの詩は昔からよく読んでい
るし、松本大洋の絵へのこだわりも知っている。しかも、帯には「死ぬと
どうなるの。」という言葉。これは死をテーマにした絵本なのだ。糸井さ
んのところから出た「ほぼ日」の絵本。この組み合わせは「ほぼ日」だか
らこそ実現できたものかもしれない。

 一読して、ひと口で感想を言うのはなかなか難しい。ビジュアル的には
後半の「白」が強く印象に残った。表紙のかないくんの真摯な横顔とその
まなざしが何とも言えない。彼は死んでしまったのだ。あまり言わないほ
うがいいのかもしれないが、この物語は作りが2段階になっている。かな
いくんのことを語る前半と絵本作家である「おじいちゃん」を語る後半。
この構成がとても効果的だ。

 生きていることと死んだこと、存在と不在、こちらとあちら、終りと始
まり…。考えることはいろいろあるけれど、その前に心をグッととらえる
ものがある。死んでしまった友のことなども思い出した。

 個人的にはあまり「死」のことを考えたりしない。ずっと考えると怖く
なってしまうから。でも、この絵本を見ながら、ちょっとだけ死について
考えるのはそんなに悪いことではないし、そんなに怖くはない。詩人と漫
画家の共同作業。これはまさに魂のこもった仕事だ。何度も何度も繰り返
し読みたい物語である。祖父江慎の装幀が素晴らしい。(No.277)

◯「ほぼ日」でいろいろと特集が。谷川さんと松本さんの対談、「かない
くん」ができるまで、など。こちらから。
◯「ほぼ日」で買う場合のみ副読本がついてきます。送料がかかるけど。
 もちろん、アマゾンや本屋でも買えますよ。
 
            ◯ ◯

2014.3.17 パラリンピックも終わって、ようやく春の気配。もう寒くな
らなくていいぞ。読書は原田マハ「翔ぶ少女」。いやぁ、これは…。

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