川村元気 no.178        

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【書評】川村元気「世界から猫が消えたなら」

◇少し我慢して読み続けてみよう。これは、軽くて深い物語。
世界から猫が消えたなら世界から猫が消えたなら
川村 元気

マガジンハウス 2012-10-25
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 去年の話題作。タイトルが気に入っていて、読んでみたかった。しか
し、最初から何だかガクッとくる。主人公である郵便配達員の彼は、頭
が痛いので病院に行くと、診断は脳腫瘍、しかもステージ4。余命は長
くて半年、1週間すら怪しい、という。ええっ!こんな話?さらに、こ
こに悪魔が登場する。「アタシ、悪魔っす!」って感じで。ううううむ、
ついていけない…楽しみにしてたのに…止めるか。と、心折れたまま読
み進めて行くと…。

 「アッ!」と思う瞬間がある。あ〜なるほどなぁ、こういう話だった
のか、作者がやろうとしてるのはこういうことなのか。その時、初めて
「小説だが、これはむしろ哲学書なのではないか」という帯の角田光代
の言葉が理解できる。非常に軽いタッチで書かれてはいるが、ここで語
られているのは本当に大切なことばかりだ。

 悪魔は彼に言う。「この世界からひとつだけ何かを消す。その代わり
にあなたは1日の命を得ることができるんです」と。最初は電話が消え、
次に映画が消え、さらに時計が消え…。そういう設定の中で、電話自体
について語られ、電話のない世界が語られ、電話のない「私」が語られ
ていく。何かを奪いながら生き延びることで気がつく自らの「生」とこ
の世界。さらには物語で大きな比重を占める、母との関係、父との関係。
「世界から猫が消えたなら」は、まさに軽くて深い物語!話題になった
わけがよくわかった。川村元気は「電車男」「告白」「モテキ」「悪人」
などの映画プロデューサー。これが初めての小説である。(No.288)

◎「世界から猫が消えたなら」は2014年9月18日、小学文庫から文庫
 になりました。
 世界から猫が消えたなら (小学館文庫)
川村 元気
4094060863

            ◯ ◯

2014.6.9 今日は晴れ間も出てますが、梅雨に入ったとたん、つゆつ
ゆしててなんだかヤな感じ。と思ってるうちにワールドカップですねぇ。
ドキドキ。日曜日が楽しみ!読書は逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」。

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