今日マチ子 no.190        

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【書評】今日マチ子「cocoon」

◇全編を通じて感じる胸がぎゅっと締めつけられるような気分。
cocoon(秋田文庫74-1)cocoon(秋田文庫74-1)
今日マチ子

秋田書店 2015-04-17
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 先日、「いちご戦争」で日本漫画家協会賞・カーツーン部門大賞を受
賞した今日マチ子。「cocoon」は「アノネ、」「ぱらいそ」(6月発
売)と続く「少女と戦争」シリーズ3部作の最初の一冊だ。気になって
はいたが読めないままだったのだが、ちょうど文庫になったので手に取
った。

 2010年に描かれたのだから、この時、彼女は20代である。20代の女
性が戦争をテーマにしたこんな漫画を描くのには大きな勇気が必要だっ
ただろう。それだけでもスゴい。

 「cocoon」は、戦場になっているある島が舞台。島一番の女学校に
通うサンたち生徒は、戦況が厳しくなったために看護隊として戦地に赴
く。鬼畜米英!などと叫んでいた元気少女だったサンだが、悲惨な状況
を目の当たりにするにしたがって元気を失い、東京から島に戻ってきた
親友マユの存在だけが心の支えだ。しかし、兵隊さんたちも次々に死ん
でいき、友だちも生命を落とす。そして、ついに解散命令が出て…。

 全編を通じて、胸がぎゅっと締めつけられ、お腹がグッと縮こまるよ
うな感覚を覚える。今日マチ子の絵は線が細くやわらかいのだが、彼女
が描く物語には力強い主張がある。「コクーン」とは、戦争のあるこん
な世界には出てこないで、空想の繭に守られて生きていたいと願う少女
たちの願望。そのイメージの広がりの中に、反戦を静かに訴えるこの物
語がある。(No.326)
            ◯ ◯

2015.5.23 いろいろあって、何だかなぁ、の気分。読書は小林信彦の
「女優で観るか、監督を追うか 本音で申せば」。

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