リュドミラ・ウリツカヤ no.21        

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

物語がガラリと裏返るラストが見事!「女が嘘をつくとき」。

女が嘘をつくとき (新潮クレスト・ブックス)女が嘘をつくとき (新潮クレスト・ブックス)
リュドミラ ウリツカヤ 沼野 恭子

新潮社 2012-05-31
売り上げランキング : 1883

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ロシアで最も人気のある女流作家リュドミラ・ウリツカヤ。このブロ
グでも「ソーネチカ」を紹介しているが、最新作である「女が嘘をつく
とき」もまた読ませる。6編の物語からなる連作短編集。ジェーニャと
いう女性と彼女の人生に登場する嘘をつく女たちの話だ。舞台は70年
代から90年代にかけてのモスクワ。1話から時系列的に話は進み、ジ
ェーニャの人生もめまぐるしく変わっていく。周囲にいる嘘をつく女の
話とジェーニャ自身の人生、このミックスぐあいが本当に巧い。さすが、
ウリツカヤである。

 女たちの嘘はけっして実害のあるものではない。どちらかというと嘘
をつくことで彼女たち自身が救われ、解放されている。男はこんな嘘を
つくだろうか? 有名な文学教授がその晩年に世間知らずの少女につく
嘘が特に印象的だ。ラストの一編。ここでジェーニャの身に大きなアク
シデントが起こる。仕事もテキパキこなし、一生懸命生きてきた彼女が
人生の危機に見舞われるのだ。この話がラストに来ることで、物語がガ
ラリと裏返る。そうかぁ、こういうことができるんだなぁ。見事!
(No.206)
               ◯ ◯

2012.8.3 8月であります。五輪サッカー、意外なことに男子まで決勝
Tに残ってしまい、しかも、試合は深夜が多く、もう大変。読書は小川
洋子「最果てアーケード」。さぁ、今夜はなでしこ!

【書評ランキングに参加中】
気に入ったらぜひポチッと。他の書評ブログも読めますよ。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

「ソーネチカ」、それは本とともに生きた幸福な女の物語。

ロシア小説もおもしろい!ウリツカヤの小説はクセになりそう
 ディープなセレクトで人気の新潮クレスト・ブックスの一冊。著者の
リュドミラ・ウリツカヤは今ロシアで最も活躍している人気作家の一人、
この小説で一躍脚光を浴び、その後も話題作を書き続けている人だ。

 この物語の主人公ソーネチカは、少女時代からひたすら本を読んでき
た「本の虫」。容貌はさえないが、反体制的な芸術家ロベルトに見初め
られ結婚する。ソビエト政権下で流刑地を移動するような貧しい生活。
そんな中でも彼女はちょっとしたことに喜びを見いだし「なんて幸せな
んだろう!」とつぶやく。著者のウリツカヤは、波瀾万丈ともいってい
い彼女の人生を、静かに見つめ、静謐なタッチで描く。そして、物語の
後半、ソーネチカは人生最大ともいうべき裏切りにあう。大きなショッ
クを受ける彼女だが、そのうちすべてを受け入れ、またまた「なんて幸
せなんだろう!」とつぶやいている。読んでる側としては、ちょっとち
ょっと、それはないんじゃない!と思ったりもするが、この彼女の生き
方というか感性は、幼い頃からの読書から生み出されたものに違いない、
と気づきなんだか納得してしまうのだ。孤独な晩年、それでも彼女は、
毎夜「甘く心地よい読書の深遠に、ブーニンの暗い並木道に、ツルゲー
ネフの春の水に、心を注ぐ」。本とともに生きた幸福な女の物語だ。

ソーネチカ (新潮クレスト・ブックス)
沼野 恭子
4105900331

読んでもらえてうれしいです。ポチッとよろしく!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

プロフィール

オクー

Author:オクー
コピーライターであるようだ。
吉祥寺にいるようだ。
そんなに若くはないようだ。
犬ブログもよろしく!

okuuuをフォローしましょう
更新情報はツイッター
フェイスブックで。
Akihiko Okumura

amazon
電子書籍で探す!
映画・ドラマなら
News
最新記事
お気に入りリンク
ブログランキング
blogram投票ボタン
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブログ村
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。