三崎亜記 no.33        

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

実は三崎亜記はこのデビュー作が最高傑作だと思っている。

見えざる戦争を描く筆致の見事さとテーマの奥深さに驚く。

となり町戦争 (集英社文庫)となり町戦争 (集英社文庫)
三崎 亜記

集英社 2006-12-15
売り上げランキング : 114661
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 三崎亜記のデビュー作「となり町戦争」、タイトルだけだと、となり
の町との奇妙な戦争をユーモラスに描いたドタバタ喜劇、というような
感じがある。だから最初は食指が動かなかった。しかし、小説すばる新
人賞のコメントで井上ひさしが「このすばらしさを伝えるのは百万言費
やしても不可能」、高橋源一郎が「こんな完璧に近い作品は新人でなく
ても一年に一つあるかどうか。選考委員は全員『すげえ!』とうなった
と思う」なんてコメントしているのを読んだら、読まないわけにはいか
ない。結局、かなり早い段階で手に取ったと記憶している。

 予想していたのとはまったく違い、これは静謐で抑制された文章で綴
られたリアル感のまったくない戦争の物語だった。主人公は町の広報の
「となり町との戦争のお知らせ」で開戦を知るのだが、周りはまったく
変わりなく、通勤でとなり町に入っても何が起こるでもない。そんな中
で広報に載る死者の数だけが毎日確実に増えていく。そして、ある日、
主人公は敵地偵察を任じられることになり…。

 その発想と展開力にも驚くが、見えざる戦争を描く筆致の見事さと最
終的に描き出されたテーマの奥深さに驚いてしまう。現実というものの
不確かさ、その中でひそかに始まっている戦争、その戦争にいつのまに
か加担している自分たち…。恐るべし三崎亜記!!と読み終えたとき、
僕は本当にうなった。その後も出版された全作品を読んでいるのだが、
残念ながら「となり町戦争」を超える小説は生み出されていないような
気がする。あまりに情緒的になるのはどうなのだろうと思ったりするの
だが…。(No.85)

               ◯ ◯

2010.8.9 台風接近で久々の雨。犬の散歩なし!草屋根の水まきなし
で幸せな一日。このまま涼しくなればいいのになぁ…。あ、台風は熱帯
低気圧になっちゃった。

◎応援クリックぜひ1つお願いします。他の書評へもここからどうぞ!

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ

スポンサーサイト

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

「コロヨシ!!」、三崎亜記がなんと青春スポーツ小説に挑戦!

競技は「掃除」、でも、普通の掃除とはまったく違う!

コロヨシ!!コロヨシ!!

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-02-27
売り上げランキング : 12259
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 三崎亜記は現実をちょっとズラした世界を作り、そのズレの中にリア
リティを生み出すユニークな作家だ。そんな三崎が、なんと青春スポー
ツ小説に挑戦。しかも、競技が「掃除」というのだから、デビュー作か
ら全て読んでいる身としては読まないわけにはいかない。

 さて、その「掃除」だが、長物(ながもの)という道具を使い、舞い
上げた塵芥を回収するという採点競技。しかも、この競技、なぜか「国
家保安局」の管理下にあり、高校の掃除部に入ると特定管理スポーツ従
事者名簿なんてものに登録されてしまう。なんだか謎の多いスポーツ?
なのだ。うたい文句は、スポーツもの、青春もの、ではあるけれど「国
家統制のスポーツ」というのは従来の三崎ワールド。けっしてこれ、新
境地ではない。今までの作品に登場する「居留地」「西域」なんて場所
も登場する。初めて三崎亜記を読む人にとっては、物語の世界を広める
うえで有効なのだろうが、ずっと読んでいる人間にとっては反対に世界
を狭めてるようで「それはもういいから」と言いたくなってしまう。

 主人公は高校生、藤代樹。彼の周りにも謎が多く、物語が進むに連れ
てさらに謎は深まる。本当に物語が動きだし、おもしろくなるのは少し
だけ謎が解け、さらに多くの謎が生まれる最終盤。これからって時に終
ってしまうのだが、なんと続編があるらしい。そうかぁ…、では続編に
期待!あっ、コロヨシは「頃良し」。「掃除」開始時の一声!

◎「コロヨシ!!」は2011年12月22日、角川文庫で文庫化されました。

コロヨシ!! (角川文庫)
三崎 亜記
4041000602


ランキングに参加してます。押してくれると本人激しく喜びます!!
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

プロフィール

オクー

Author:オクー
コピーライターであるようだ。
吉祥寺にいるようだ。
そんなに若くはないようだ。
犬ブログもよろしく!

okuuuをフォローしましょう
更新情報はツイッター
フェイスブックで。
Akihiko Okumura

amazon
電子書籍で探す!
映画・ドラマなら
News
最新記事
お気に入りリンク
ブログランキング
blogram投票ボタン
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブログ村
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。