金城一紀 no.36        

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マグマの部分を描ききれない、金城一紀「レヴォリューションNo.0」。

レヴォリューションNo.0レヴォリューションNo.0
金城 一紀

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 金城一紀は寡作な作家だが、つまらない小説は書かない。これまでの
6作はどれもおもしろかったし、脚本を書いたドラマ「SP」もいい出来
だった。そしてこの「レヴォリューションNo.0」は「レヴォリューショ
ンNo.3」「フライ、ダディ、フライ」「SPEED」に続くザ・ゾンビーズ
シリーズの完結編、悪ガキ高校生集団ゾンビーズの結成前夜を描いた作
品である。となれば期待しないわけにはいかない。

 ところがところが、その期待は見事に裏切られる。久しぶりに「フン」
と思った。分量的にも160ページほどで長編というほどではないが、こ
れは物語ではなくエピソードに過ぎない。結成前夜の話として、シリー
ズの読者が期待するのは、彼らのマグマの部分だろう。その怒りやどう
しようもない気分、暴発しなければならない理由をしっかりと描いて欲
しいのに、そこが何とも弱い。彼らの高校が「定数以上の人数を取った
その訳は?」というのは、発端としてはおもしろいかもしれないが、多
くの生徒を辞めさせようとする団体訓練やその結果としての生徒たちの
行動がいちいちつまらない。マグマはくすぶったままだ。ラスト、なん
とか「No.3」につなげようとしているのが白々しい。金城は「SP」で大
きな権力を相手にした作品を書いた。「No.0」ではなく、さらに大きな
権力との戦いを書くべきだったのではないか。今さら高校生たちに戻る
必要などないのである。(No.157)
               ◯ ◯

2011.6.14 愛犬ひなたの2回目の手術が今日無事に終わる。ま、手術
といってもクラウンを被せるだけで10分ほどなのだが。今はまだ麻酔で
フラフラしているが、これで元のように固いものも食べられるようにな
る。やれやれ、である。


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ゾンビーズ・シリ ーズ第1弾「レヴォリューションNO.3」のパワー。

パワフル&個性的な悪ガキ高校生たちがなんともいい!

レヴォリューション No.3 (角川文庫)レヴォリューション No.3 (角川文庫)
金城 一紀

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 「フライ、ダディ、フライ」「SPEED」と続くザ・ゾンビーズ・シリ
ーズの第1弾。金城一紀がいいのは、第一に文章の勢い、第二にキャラ
の立ち具合だ。この小説は「GO」などとは違いコリアン・ジャパニー
ズの話ではないのだが、出てくるキャラがパワフル&個性的でなんとも
いい。短・中編3作、主人公は共通なので、おちこぼれ高校生の連作冒
険譚という感じだろうか。表題作は、近くにある女子高の学園祭襲撃の
話。チケット制でクズな高校生には侵入不可能なその学園祭にどうやっ
て侵入するか。悪ガキグループ、ゾンビーズがない知恵をしぼりにしぼ
って挑戦する姿がなんともおかしい。好きな女の子にだまされその仲間
にカツアゲされて急に不良になってしまった主人公の「僕」、学内の有
料人生相談で金を稼ぐ過剰な色気と豊富な知識を持った混血児アギー、
読書好きの武闘派、コリアン・ジャパニーズの舜臣(スンシン)、どい
つもなかなかいい面構えをしていそうな男たちだ。ラスト。女子高襲撃
も感動的だが、ゾンビーズの精神的支柱で難病で入院中のヒロシへ「僕」
が放つパワフルなメッセージ。これはちょっと泣けてくる。

 高校生の男たちの話というと、なんだか汗くさくて、下品な感じにな
りがちなのだが、金城の作品にはそれがまったくない。しっかりと「品」
があるのが素晴らしい。ゾンビーズ・シリーズ、これを読んだら第2弾、
第3弾が絶対読みたくなる。そして、金城さん、そろそろ痛快な新作が
読みたいぞ。よろしく!!(No.84)

               ◯ ◯

2010.9.6 あ~ビックリした。金城さんのブログがあった。「帰ってき
た「映画日記」」だって。これはチェックしなきゃ。新作の話も出てき
そう。で、暑いから運動会なんて止めましょうね。練習で死ぬぞ。


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何とも痛快なラスト!!金城一紀の直木賞受賞作「GO」。

主人公杉原の家族の造形と軽快なタッチが素晴らしい。

GO (角川文庫)GO (角川文庫)
金城 一紀

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 金城一紀の直木賞受賞作品。とても軽やかで気持ちのいい小説だ。ひ
と言で言えば、青春恋愛小説。作者がコリアン・ジャパニーズで、主人
公もそういう設定なのでふつーに差別のことなどが出てくる。その軽み
が評価されたということはあるだろう。 

 しかし、この小説で素晴らしいのは人物の造形だ。けんかに明け暮れ
る主人公の杉原。パチンコの景品交換所を経営する彼の父は元ボクサー
でハワイに行くために朝鮮から韓国へ、コロリと寝返った?人物だ。そ
の父とけんかばかりしている母は家出の常習犯。この杉原家の人々のキ
ャラクターがまず最高である。そして、杉原とその友だち、暴力団の幹
部を父親に持つ加藤や民族学校で「開校以来の秀才」と呼ばれている正
一(ジョンイル、なお杉原は「開校以来のバカ」)たちとの交流を描く
作者の筆致が冴えに冴えている。差別の問題をしっかりと携えながらも、
語り口はあくまで軽快。まったくうまい。

 そして、杉原の恋。彼が恋に落ちたショートカットの少女桜井はジャ
ズが好きで小説が好きで、なかなか進歩的な考えを持っている女性なの
だが、杉原が「僕の国籍は日本じゃない」と告げたときには、意外なリ
アクションを起こす。それから二人がどーなっていくかが後半の大きな
ポイントだ。杉原の最後の叫びとそれに応える桜井の言葉。ラストは何
とも痛快!これが初の長編書き下ろしだったなんて、金城、おまえはほ
んと~~にすごいぞっ!!

               ◯ ◯

2010.7.26 雨を待っていた。草屋根に1日ごとに水をまくという大仕
事があるので、雨が降ってくれると本当にうれしい。午後の雨はちょぼ
ちょぼでガッカリしていたが夕方になってかなり降って来た。あぁ。

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金城一紀「映画篇」、文庫化!

 以前紹介した金城一紀の傑作「映画篇」が集英社文庫で文庫化されま
した。これはおもしろいですよ。かなりのおすすめです。未読の方はぜ
ひ、どうぞ。(あ~、デンマーク戦見たので眠い……)

書評はこちらからどうぞ。

映画篇 (集英社文庫) (集英社文庫 か 56-1)
金城 一紀
408746587X


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金城一紀「映画篇」、5つの連作で紡ぐ映画への愛!

とにかく泣ける、ラストワン。これこそ物語を読む幸せ!

映画篇映画篇

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 いやぁ、これはまいったなぁ。まいった!まいった!まいったなぁ。
こういう仕掛けになってるとはねぇ…。いくら書評ブログでもこいつは
とても書けない。無粋な評論家なんかは、この仕掛けや「あの映画」の
タイトルをばんばん書いちゃったのかもしれないけど、それをやったら
読書の楽しみがな~んもなくなっちゃう。傑作だから黙って読みなさい、
って言うだけでいいのかも。

 ここで書かれたのは4+1の短編。大団円の物語はいろんな意味で別
格だけど、そこにいたる4つの話も文句なくいい。友情をテーマにした
「太陽がいっぱい」、愛と復活と正義の物語「ドラゴン怒りの鉄拳」、
哀しみの人生と希望の恋を描いた「恋のためらい/フランキーとジョニ
ーもしくは トゥルー・ロマンス」、勇気と復讐の物語「ペイルライダ
ー」。それぞれの物語はタイトルになった映画とも微妙にシンクロしな
がら、主人公たちのちょっと痛め?なハートをいつもの金城調ではなく、
しっかりとていねいに描いている。これが、ホントにうまいのだ。うま
すぎるぐらいにうまいのだ。

 そしてラストワン。う~ん、これは泣ける。とにかく泣ける。全部読
み終えて表紙を開けたところに描かれた「それ」を見たらまたまたジー
ンときた。そしてもちろん「あの映画」を絶対もう一度見たくなる!

◎「映画篇」は2010年6月25日、集英社文庫から文庫化されました。
映画篇 (集英社文庫) (集英社文庫 か 56-1)
金城 一紀
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