片岡義男 no.44        

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【書評】片岡義男「コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ」

◇彼の小説はすべて自伝で、すべて自伝ではない。
コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。
片岡 義男

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 片岡義男の小説を読むのって、何でこんなに気持ちがいいのだろう!
選びぬかれたムダのない言葉、しっかりと自立した登場人物たち、そし
て、そこに吹いている自由な風。この小説の紹介文には「自伝音楽小説」
帯には「自伝勤労小説」とある。1960─1973と副題が付いてい
て、それは著者の大学時代、会社員時代、なしくずし的にライターにな
った時代でもある。しかし、実は、そんなことはどうでもいいのだ。

 片岡義男の小説はいつだって「小説」だ。そこに登場する「僕」は、
(この短編集に限らず)いつだって片岡義男だし、いつだって他の誰か
だ。登場する男女が語る言葉は彼らの言葉ではなく、すべて片岡義男の
言葉かあるいは彼が彼らの言葉を「翻訳」したものだ。「自伝」という
フレーズに実は強く強く反応してしまったのだけど、読み終わったらハ
ハハハハッって笑ってしまった。彼の小説はすべて自伝で、すべて自伝
ではない。そういうことだ。

 ショートストーリーが44本。そこには必ず音楽が登場する。ポップ
ス、歌謡曲、演歌、ジャズなどなど。その曲のジャケットをカラーで紹
介するためだけの贅沢なオールカラー!印象的なストーリーがたくさん
あるが、鉛筆を街角で削るようになったいきさつを語る話、会話が曲の
コード進行だけに終始する話が素敵だ。また何ヵ月かしたら、僕はまた
本棚からこの小説を取り出して、好きなストーリーを読むだろう。そし
て、何ヵ月かしたら、また。(No.352)
※タイトルの最後には「。」が付くのですが、一番上では省略。2行に
 なっちゃうのがイヤだったので。すみません!

◯片岡義男のその他の本のレビューはこちらから。
※一番上にはこのページが出ます。 

            ◯ ◯

2016.3.16 しかし巨人もなぁ、何やってるんだか。士気を高めるとか
言ってるけどあんなことで士気が高まるのか??読書は「その女アレッ
クス」をゆっくり。

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【書評】片岡義男「ミッキーは谷中で六時三十分」

◇片岡義男、74歳でこんな小説書くなんて不良だっ!
ミッキーは谷中で六時三十分ミッキーは谷中で六時三十分
片岡 義男

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 片岡義男っていくつかなぁ、と思って調べたら74歳だった。ううむ、
不良だ。74にもなってこんな小説が書けるなんて絶対に不良だ。素晴
らしい!!!もちろん片岡義男という作家は、進化を続けているのだけ
れど、基本的には「時代」がのろのろと彼を追いかけて、やっと最近に
なって追いついて来た、という感じがする。昔から彼の小説は今みたい
にかっこよかったのだ。

 さて、この短編集。谷中、高円寺、三軒茶屋、吉祥寺など、東京の街
を舞台にした7つの物語が収められている。とはいえ、片岡義男の小説、
一筋縄ではいかない。大体、ひとつの街にとどまらないのだ。あっちに
行ってこっちに行って、さらにあっちに行って…。主人公は転々とし、
話もまた転々とする。読者はいったいどこに連れて行かれるのか、どん
な結末が待っているのかさっぱりわからない。

 行先不明のルンバに乗ってフラフラと走って行く快感!リアルのよう
でリアルではなく、リアルじゃないようで、やっぱりリアル。そこには
男と女がいて、コーヒーのある空間があって…。たぶんこれは片岡氏の
中では計算されつくされた物語に違いない。でも、なんだかそう思えな
いのがスゴい。昔、青春の中で彼の小説にはまったように、またまた片
岡義男にはまりそう。いいなぁ74歳の不良。(No.297)

◯片岡義男のその他の本のレビューはこちらから。 

            ◯ ◯

2014.9.1 9月になっちゃった。今週も天気悪いなぁ。ううむ。え〜
っと読書は辻村深月「島はぼくらと」。

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「ここは東京」、片岡義男はその写真もまたいい。

ここは東京ここは東京
片岡 義男

左右社 2010-12-16
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 片岡義男の小説は好きで、昔は赤い背表紙の角川文庫を次々と読んで
いた。しかし、その頃は、この人の本当の価値、小説の素晴らしさをま
ったくわかっていなかったように思う。数年前に出た「片岡義男コレク
ション」で彼の物語を読みなおしてみると、かなり実験的なものがある
し、海外小説の影響を彼なりに消化して見事に自分のスタイルにしてい
る。とにもかくにも片岡義男の小説はおもしろい。

 さらに、彼は、最高のコラムニストでもある。文房具など「モノ」が
好きだったり、言葉に対するこだわりがあったり、音楽に対する造詣が
深かったりといろいろな側面があり、彼のコラムやエッセイには刺激を
受けることが多い。

 さて「ここは東京」、写真集だ。困ったことに、というか何というか
片岡義男は写真もまたいい。それは、彼のエッセイに似ている。対象と
の距離の取り方が抜群にうまいのだ。これはタイトル通り「東京」を撮
った写真集だ。とは言っても出てくるのは、ひなびた店の店頭に並んだ
食品サンプルや無造作に置かれたポリバケツ、手描きで書かれた店のち
らしやメニュー、雨樋や電信柱やのぼりなどなど。タイトルとシンクロ
させれば、その意図は明確だ。しかし、その意図を持って撮ろうと思っ
ても、素人にはけっしてモノにすることができない写真がここには何枚
もある。

 「あとがき」の中で彼が「被写体の出来ばえ」と語っているのがとて
もおもしろい。そして、時間の経過と写真と自らを語るそのコラムは見
事な写真論になっている。さすが、片岡義男、である。(No.258)

◯「片岡義男コレクション」のレビューはこちらから。
         
       ◯ ◯

2013.10.7 凱旋門賞…あ〜ぁ。かなりガッカリ。負担重量の差も大き
いけれど、それでも…。え〜っと、で、読書は小野不由美「丕緒の鳥」。

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今読んでも新しい!「片岡義男コレクション」に震えた。

独特なにおいがする片岡ハードボイルド、たまらんなぁ…。

花模様が怖い―謎と銃弾の短篇 (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)花模様が怖い―謎と銃弾の短篇 (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)
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 片岡義男の小説は70年代によく読んでいた。でも、その頃は彼の恋愛
小説が何冊も映画化されていた時期で、世間的には片岡義男=軟弱って
イメージがあったんじゃないかと思う。でも、なんだか良かったなぁ彼
の小説って。その乾いた感じとか。その頃、ハードボイルドって言って
たのかどうかはわからないけれど。

 さて、片岡義男コレクションと銘打った全3冊の作品集がハヤカワ文
庫から出ています。これは、絶対に「買い」!1冊目は「花模様が怖い」。
片岡ハードボイルドの傑作8篇を集めたこの1冊、70年代から90年代
に書かれた短篇だけど、初期のものもまったく古びてない。っていうか、
当時もちょっと他にはないって感じだったのだけど、今読んでもそう思
う。「狙撃者がいる」という小説がちょっとスゴい。東京に住む一人の
女性が通り魔的に次々と人を撃ち殺す。主人公は動機や心情などをぶざ
まに吐露したりはせず、ただただ殺しまくる。アンモラルといえばまさ
にアンモラル。しかし、そんなことよりその描写力のスゴさにこそ注目
だ。片岡ハードボイルドには独特なにおいがする。パート2は恋愛小説
の傑作選、3は私立探偵アーロン・マッケルウェイシリーズ。これはも
う読むしかないっ!!

さしむかいラブソング―彼女と別な彼の短篇 (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)
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ミス・リグビーの幸福―蒼空と孤独の短篇 (ハヤカワ文庫 JA カ) (ハヤカワ文庫JA―片岡義男コレクション)
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