市川春子 no.46        

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高野文子のフォロワー、それとも…市川春子の「虫と歌」。

手塚治虫文化賞「新生賞」受賞、さらに深く潜れるか?

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

講談社 2009-11-20
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 手塚治虫文化賞で「新生賞」を取った市川春子のデビューコミック。
受賞前から気になっていたのは、彼女が高野文子のフォロワーみたいな
意見をネットで読んだから。フォロワーってあまりいい意味には使われ
ない。同時に、そういってしまうには惜しい、という感想も。いずれに
しても、高野文子は二人はいらないし、彼女のような才能はそうそうい
ない。迷いながらも読んでみた。

 表題作など4つの短編が収まっているが、そのうちでは「日下兄妹」
と「虫と歌」がいい。高野文子の影響は確かにある。本の帯には「深く
て、軽やか、新しい才能!」と書いてあるが、深度という意味では高野
には遥かに及ばない。高野は深海まで潜っていけるが、市川はまだ海面
付近でウロウロしてる、という感じ。しかも、息継ぎが浅い。めざすと
ころも微妙に違うだろう。「日下兄妹」は肩を痛めた投手と突然現れた
異形の妹の話。「虫と歌」は3人兄妹が暮らす家に異形の弟がやって来
る話だ。こういった「人間ではないもの」を登場させることでコミュニ
ケーションを語ることは、ある意味、常道という気がしないではない。
ただ、彼らの関係が深まっていくプロセスには市川らしさがあって好感
が持てる。どうやら寡作の人のようだが、ちょっと後を追いかけてみた
い。まだまだ変化する可能性がこの人の中にはありそうだ。次回作を楽
しみに待とう。

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