高野文子 no.52        

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【書評】高野文子「ドミトリーともきんす」

◇高野文子が教えてくれる!化学や物理も人間っぽい。
ドミトリーともきんすドミトリーともきんす
高野 文子

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 高野文子は大好きである。でもこれは僕には合わないんじゃないか、
と思っていた。科学とか物理とかいわゆる理科系にはまったく関心がな
い。科学の本の案内書的な内容は絶対に苦手っぽい。でも、高野文子だ
ぜ。高野文子がただの高野文子であるわけがないじゃないか。

 というわけで、買って読み始めたら、やっぱりこれは高野ワールド!
おもしろい。この本を読みながら一番感じたのは、あの難しいなんだか
わからん科学や物理のその法則は人間が見い出した、という当たり前と
いえばアタリマエのこと。そのことに僕は「おぉ」と思い、ちょっと安
堵したりしてるのだ。

 特におもしろかったのは湯川秀樹だ。詩と科学、という一文。子ども
たちのために、という副題が付いているこの文章がなんともいい。「詩
と科学とは同じ場所から出発したばかりではなく、行きつく先も同じな
のではなかろうか」「そればかりではない。二つの道はときどき思いが
けなく交差することさえあるのである」という言葉に強く心を揺さぶら
れた。彼らはまさに「実験室の片隅で自然の中に隠された”詩”を見つけ
た人々」なんだなぁ。彼らの世界を描くために製図ペンを使った高野文
子の絵が絶妙。文系の人も理系の人もぜひぜひ一読を。(No.313)

◯高野文子のその他のコミックのレビューはこちらから。
 ※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.1.6 あけましておめでとうございます。このブログ、今年もどう
ぞよろしく。おもしろい本をどんどこ紹介していきますよっ。読書は宮
部みゆき「荒神」。なかなか本を読む時間が取れない。あ、前の項で昨
年のベスト本を紹介してるので、まだの人は見てみてくださいね。

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【書評】高野文子「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」

◇絵本でも高野文子は高野文子である。
しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん (幼児絵本シリーズ)しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん (幼児絵本シリーズ)
高野 文子

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 「絶対安全剃刀」「るきさん」「黄色い本」など、高野文子は寡作の漫
画家だが、そのすべてが傑作で僕も大好きだ。そしてこれは福音館の「幼
児絵本シリーズ」の一冊として発売された彼女の絵本。いやいやいや、ま
いったなぁ。絵本でも高野文子は高野文子だなぁ。よくもまぁ、こういう
表現が!

 冒頭で主人公の男の子はしきぶとんさんたちに語りかける。「あさまで
よろしくお願いします あれこれ いろいろ たのみます」。そして個別
?のお願いが始まる。しきぶとんさんへは「どうぞ わたしの おしっこ
が よなかに でたがりませんように」。ふふふ。すると「まかせろ ま
かせろ おれに まかせろ」と心強い答えが返ってくる。男の子は、さら
に、かけぶとんさんやまくらさんにも違うお願いをするのだ。

 大体、ふとんを3つに分けちゃうという発想からして驚き。これ、思い
つきそうでつかない。そして、男の子のキャラクター、というか造形!ふ
とんもまくらもなんだかすごいことになっている。シンプルだけとチープ
じゃない色と形のアンサンブル!その見せ方もまた高野文子らしい。リズ
ミカルな文章もいい。大人が見てももちろんおもしろいけれど、子供たち
も大好きになることうけ合い。いろいろ楽しめるから、おやすみ絵本には
持ってこいだと思うぞ。(No.280)

◯高野文子のその他の本のレビューはこちらから。 

            ◯ ◯

2014.4.7 桜もだいぶ散ってきましたね。今年はいろいろあり過ぎてゆ
っくり楽しめなかった。読書はサリンジャー「フラニーとズーイ」。春樹
訳。

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すべての本好きに!高野文子のコミック「黄色い本」。

主人公は「チボー家の人々」を読み続ける高3の少女。

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 僕の場合、好きな漫画家は岡崎京子、大島弓子、高野文子、よしなが
ふみとなぜか女性ばかりである。この4人は甲乙つけがたいが高野文子
のコミックはちょっと特別という気がしている。

 「黄色い本」は出版されている作品としては最新作。といっても初版
は2002年だからすでに8年が経つ。寡作の人である。そして、高野文
子は、オンリーワンの作家である。我が道を行くというか、孤高の人と
いうか、彼女の「表現」はまさにオリジナルのものだ。フォロワーある
いはチルドレンは出てきてはいるが、今だ足元にも及びはしない。

 さて、「黄色い本」。全4作だがやはり表題作がずば抜けていい。黄
色い本というのは白水社版の「チボー家の人々」のことで知る人ぞ知る
「黄色本」だ。主人公である田家実地子は就職を控えた高3生、この作
品の中で彼女は最初から最後までずっと図書館で借りた「チボー家の人
々」全5巻を読み続けている。学校でも家でも登下校のバスの中でも。
無類の本好きの彼女は、この長い長い物語を読むうちに小説の登場人物
ジャックにシンパシーを寄せていく。そして、いつの間にか自らも物語
の世界に入って行く。ジャックと言葉を交わす実地子、革命家たちの真
ん中で檄を飛ばす実地子…。彼女がいるのは昭和の時代のいなかの村で
ある。ジャックがいるのは第一次世界大戦前のフランス。時空間を超え
て2人の思いが交錯する。繊細で痛々しいような感受性を持つジャック、
そして、実地子の心もまた。

 高野文子の表現は、次元をヒョイと越えたり、平凡な日常の一瞬をス
パッと切り取ったり、なんとも軽快で自在。それでいて、主人公の気持
ちがしっかりと伝わってくる。すべての本好きにおすすめのコミック。
それにしても高野さん、書き下し新作なんてファンが狂喜乱舞する本を
出したりしませんかね。お持ちしておりますよ。


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