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【書評】福田幸広・ゆうきえつこ「オオサンショウウオ」

◇オオサンショウウオの生態に迫った感動的な写真絵本。
オオサンショウウオ (そうえんしゃ写真のえほん)オオサンショウウオ (そうえんしゃ写真のえほん)
ゆうき えつこ 福田 幸広

そうえん社 2014-07
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 今年の小学館児童出版文化賞受賞が決まったばかりの作品。オオサン
ショウウオにも興味があったので早速読んでみた。福田幸広さんが撮っ
た貴重な生態写真に、ゆうきえつこさんが文章を付けた写真絵本だ。

 中国山地の山奥、島根県の小さな川で撮られた写真が何と言っても素
晴らしい。小さいけれどつぶらでどこにあるかわからない目!石に擬態
しちゃうその身体!夏至の頃、オスのオオサンショウウオは年に一度の
大仕事をするためにある場所に向かう。数キロの距離を時に1ヵ月もか
けて。彼は巣穴を自分で見つけて、そこを守り、メスを迎えて産卵を助
け、子育てまで自分でするのだ。

 産卵のシーンが何とも美しくて感動的。こんな写真よく撮れたなぁ。
福田氏によると1年のほとんどを鳥取で過ごし、何日も何時間も川に潜
ってこの写真を撮ったらしい。でも、と彼は言う。「まだまだオオサン
ショウウオのことはよくわかりません」「不思議に思うことがたくさん
あります」と。彼はこれからも写真を撮り続けるだろうし、新たな生態
も明らかになってくるだろう。しばらく時間はかかりそうだけれど「次」
を楽しみに待つことにしたい。写真はいいけれど、文章がちょっとこな
れていない感じで残念。(No.337)

            ◯ ◯

2015.9.17 まだまだ委員会が紛糾してるのでなんだか落ち着かない。
読書はカズオ・イシグロ「忘れられた巨人」。なかなか進まない。

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【書評】岩崎俊一「幸福を見つめるコピー」

◇コピー術の本ではない。でも、コピーとは何かがよくわかる。
幸福を見つめるコピー幸福を見つめるコピー
岩崎俊一

東急エージェンシー 2009-07-13
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 もう35年ぐらいコピーライターをやっている。若い頃はいろいろな
コピーライターのコピー作法のような本をたくさん読んだ。僕の上の世
代には秋山晶さん、糸井さんや仲畑さん、川崎徹さんなど広告の達人が
いて、天野祐吉さん、島森路子さんなど頼もしい広告応援団もいた。

 去年の12月にコピーライターの岩崎俊一さんが亡くなった。ショッ
クだった。67歳はあまりに早すぎる。岩崎さんは上記の人々のように
派手さはないけれど、心に残るコピーをたくさん書いている。これ誰の
コピーかな?と思い調べたら岩崎さんのコピーということが何度もあっ
た。たとえば…

年賀状は、贈り物だと思う。(日本郵便)
あなたに会えたお礼です。(サントリー)
人は貧しいという理由で死んではいけない。
(日本フォスター・プラン協会)
美しい50歳がふえると、日本は変わると思う。(資生堂)
やがて、いのちに変わるもの。(ミツカン)
負けても楽しそうな人には、ずっと勝てない」(セゾン生命)
贈る者は、汗をかけ。(西武百貨店)

 コピーライターなら、こんなコピーを書きたい、と誰もが思うような
素直で美しいコピー。無理にこねくりまわしたりしていない純度が高く
スッと心に届くようなコピー。亡くなってから岩崎さんが書いた本があ
ることを知って読んでみたくなった。「幸福を見つめるコピー」、ここ
には彼が書いた200本のコピーとエッセイが収められている。

 その冒頭で岩崎さんはこう書いている。「幸福になること。人は、ま
ちがいなく、その北極星をめざしている」そして、コピーも例外ではな
く、ここをめざして書かなければいけない、と。これを理想論だと笑い
飛ばすのは簡単だ。たかがコピーと言うこともできる。でも、この本を
読めば、岩崎さんが常に真摯な態度で書き続けたことがよくわかる。コ
ピー術の本ではない。でも、コピーとは何かがこれを読めばよくわかる。
(No.318)
            ◯ ◯

2015.2.23 オスカーを後半ちょっと見る。作品賞は「バードマン」、
イニャリトゥ監督は「21g」が大好きだ。読書は「鹿の王」上巻。

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【書評】中原清一郎「カノン」

◇心はいったいどこにある?「カノン」の問いかけ。
カノンカノン
中原 清一郎

河出書房新社 2014-03-10
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 物語としてはすごくおもしろい。ただ最初のうちは純文学風でこのま
まこういう感じなのかなぁ、と思っていたら、しだいに物語性が強まっ
ていく。このあたり、作者の考えがちょっとわからない。迷いがあった
のか…。中原は外岡秀俊の名でジャーナリストとしても活躍し、純文学
の作家でもあるようなので、こういう書き方になったのかもしれない。

 「カノン」は海馬の相互移植をテーマにした近未来の話だ。末期ガン
に犯された58歳の男、寒河江北斗が希望し、永坂という相手が現れた。
永坂は記憶を失っていく難病に犯されている32歳。相手が若いので寒
河江は喜ぶが、実は永坂は女性だった。彼女の名前歌音(カノン)がこ
の小説のタイトルになっている。カノンは4歳の子供のためにどうして
も母親が必要と考え、この無謀とも言える移植に同意したのだ。コーデ
ィネーターの黒沢が2人を結びつけるという大きな役割を担っている。

 手術は成功し、寒河江の意識がカノンの身体に入る。海馬は記憶をつ
かさどる器官だ。肉体全体を制御する脳との関係は?心はいったいどこ
にあるのか?カノンの意識はまったくその身体から消え去ったのか?女
性化、子育て、職場復帰と苦しみながらも一歩ずつ前進していく寒河江。
さて、行き着く先は?

 エンタテインメントとして読むのもいいが、この小説にはいろいろと
考えさせられることも多い。心とは何か?生きるとは何か?人間とは何
か?作家・中原清一郎のこれからにも注目したい。(No.301)
       
            ◯ ◯

2014.10.1 御嶽山、本当に大変なことに…。この国は地震も台風も火
山もある。原発も。読書は津村記久子「エヴリシング・フロウズ」。

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【書評】越谷オサム「陽だまりの彼女」

◇致命的な軽くてリアリティのない会話。
陽だまりの彼女 (新潮文庫)陽だまりの彼女 (新潮文庫)
越谷 オサム

新潮社 2011-05-28
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 本を選ぶ嗅覚?っていうのにはけっこう自信がある。あまり「ハズレ」
の本を買うことはない。で、「陽だまりの彼女」。実は買った動機がちょ
いと不純だった。これ、新潮文庫なのだけど、文庫についてる応募券を集
めてプレゼントが貰える「Yonda? CLUB」が1月で終わりになった。年
末の時点で「文豪リストウォッチ」まであと2枚。本屋さんの棚をじぃぃ
ぃぃとながめてたら「陽だまりの彼女」を見つけた。あ、これ、売れてる
んだよな、朝日でも褒めてたよなぁ、よしっこれにしよう。ひひひ〜ん、
大ハズレ。悲しい。

 この小説、最後のほうでとんでもないことになるのだけど、それよりも
問題なのは、会話が軽い、ということ。軽くてもリアリティがあるならい
いのだけど、軽くてリアリティがないからどうしようもない。今のコミッ
クって、会話がフツーに素晴らしいものが多いのだけど、これは足元にも
及ばない。そんなリアリティのない恋愛話が、最終的にはなんというか…
ファンタジーになっちゃうわけで。「へへへ、実はこうなんですよ〜」っ
て最後に言われてもなぁ。

 確かに伏線は数多く張られてる。でも多いからって何をしてもいいって
ものではない。ファンタジーだからこそ、よりていねいにリアルに作って
いかなくちゃダメなのに…。これ、読ませるなら小学生限定か。いやいや
今どきの小学生は「十二国記」だって読むし…。裏表紙に「完全無欠の恋
愛小説」とある。よくもまぁ…。ざけんじゃねぇよ、新潮文庫!あ〜久し
ぶりに悪口言ったっ!!(No.276)       

            ◯ ◯

2014.3.10 昨日はカーリングの日本選手権まで見てしまった。カーリン
グ、好きです。読書は原田マハ「翔ぶ少女」。明日は3月11日。

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【書評】波野好江「中村勘三郎 最期の131日」。

◇妻としての執念を感じる驚きの一冊。
中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて
波野 好江

集英社 2013-12-05
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 いやぁ、これには驚いた。タイトルからして妻であった著者が勘三郎
の死までの日々を「情緒的」に語った本だと思っていた。ところがこれ
全然違うのである。回想場面ではもちろんそういう部分もあるけれど、
病気に関しての様々な記述は本当にシビア。これサブタイトルが「哲明
さんと生きて」となっているが「中村勘三郎はなぜ死んだのか」にして
もおかしくはないぐらいの内容だ。

 最初のうつ病(と診断された病気)のところから、著者は非常にこま
やかに当時の状況を語っていく。この本は大竹しのぶに勧められて書い
たらしいのだが、最終的にプロの手は入っているのかもしれないが、ほ
とんどは彼女が書いたものだろう。そうでなければ、ここまでのことを
書くことはできない。ある意味、妻としての執念を強く感じた。

 勘三郎は食道がんになり、その後、肺炎を併発し、ARDS(急性呼
吸逼迫症候群)という呼吸不全を起こし、最終的に死に至るのだけれど、
そのプロセスも本当にこまかく書かれている。担当医から受けた病状の
説明もそのたびごとに掲載されているのには驚いた。

 しかし、これを読むと、どこかで何かが掛け違っているというか…。
病院側の判断ももちろんあるのだけれど、勘三郎という人の人間性、人
のよさ、他人に対するやさしさが死を早めてしまったのではないか、と
いうような気もする。う〜ん。回想的に語られる2人の出会いからの話
にはホッとするし、すさまじい夫婦げんかや中村屋のガールフレンドと
のエピソードには思わず吹き出したりもした。巻末には主治医2人のイ
ンタビューまで掲載されていて最後の最後まで驚かされる一冊だ。
(No.274)

◯「勘三郎伝説」もおすすめです。こちら。 
            ◯ ◯

2014.2.24 というわけでオリンピックも終わりましたね。テロがなく
てよかった、よかった。読書は尾崎英子「小さいおじさん」。

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シンプルな設定で描かれる戦争の悲劇、「ボクの穴、彼の穴」。

ボクの穴、彼の穴。ボクの穴、彼の穴。
デヴィッド・カリ セルジュ・ブロック 松尾 スズキ

千倉書房 2008-12-04
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 松尾スズキが翻訳しているので興味を持って読んでみた。そういえば
これ、朝日新聞で俵万智さんが小さなわが子に読んで聞かせていると随
分前に書いていたな。松尾スズキが訳すことになったのはよくわかる。
これはとても演劇的な話なのだ。もう少し膨らませて芝居にしても、ま
ったく違和感はないだろう。2人の名前がクレジットされているが、文
章を書いたのがデヴィッド・カリで絵を描いたのがセルジュ・ブロック。
ブロックは、他にも話題作があるらしい。

 タイトルで分かるかもしれないが、話はシンプル。砂漠の中にある2
つの穴。その穴に敵同士の兵士が入っている。どちらもそこから出るこ
とは出来ない。この後は、一人の兵士のモノローグになる。彼は相手の
兵士については何も知らないが、敵国の兵士のことはよく知っている。
「戦争のしおり」にくわしく書いてあるからだ。膠着状態が続く中、い
ろんなことに思いを巡らす兵士。ある日、彼は決断する。「早く、この
戦争を終わらせたい」と。そして、彼は…。

 これはもちろん反戦のストーリーである。人間の愚かさ、悲しさ、お
かしさを通して描かれる戦争の悲劇。セルジュ・ブロックのコラージュ
なども交えた表現がシンプルの中にもユーモアがあってとてもいい。
(No.261)

               ◯ ◯

2013.11.14 やややややっと「11/22/63 」読了。うむ。書評は来週
の初めにでも。さて、次は待ちに待った窪美澄「雨のなまえ」!!!

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伊勢参りを巡る、人と犬との関係。仁科邦男「犬の伊勢参り」。

犬の伊勢参り (平凡社新書)犬の伊勢参り (平凡社新書)
仁科 邦男

平凡社 2013-03-18
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 著者である仁科邦男氏は、名もない犬たちが日本人の生活とどのよう
に関わり、その生態がどう変化してきたか、という研究を続けている人
だそうだ。話題になったこの本もそのプロセスの中で生まれたものに違
いない。

 さて、この「犬の伊勢参り」だが、犬たちがある日突然思いついて、
「そうだ、お伊勢さん、行こう」って伊勢参りに出かけたわけではない
ようだ。ま、当たり前か。江戸時代、実は、人間にはそういうことがあ
った。伊勢参り願望の強さから、しばしば仕事も何もかも放り出し、親
や主人にも黙って、仲間と伊勢へ向かった。いわゆる「抜け参り」って
ヤツだ。その大規模なものが「御蔭(おかげ)参り」だ。

 では、犬は?犬が伊勢に向かうケースとして一番多かったのは「代参」
である。つまり、人間の代わりに犬に参拝してもらう。でも、それって
うまくいくの?詳しくは本書を読んで欲しいのだけど、この本で語られ
ているのは、犬の参拝をしっかりとフォローし伊勢まで届け、さらに、
申し送りを繰り返して、故郷まで送り届けた江戸時代の人々のことだ。
代参の犬ではなくても、霊力があるといわれる白い犬がその辺りを歩い
ていて、それがお伊勢様の方向だったりすると、彼らは「あれって、伊
勢参宮の犬じゃない?」と勝手に思って、代参犬に仕立て上げちゃった
例もあったらしい。

 つまりこの本は、犬の物語であると共に、江戸を生きる人々の物語で
もあるのだ。構成など今ひとつのところがあってちょっと残念だが、そ
れなりにおもしろく読めた一冊だ。(No.253)
         
              ◯ ◯
         
2013.8.26 少し涼しくなってきた。そのまま、そのまま。読書は宮部
みゆきの「泣き童子」。やっぱりこの人はうまいなぁ。

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何ともかわいい「はなちゃんの夏休み。」で石田ゆり子の才能に驚く。

はなちゃんの夏休み。はなちゃんの夏休み。
石田ゆり子

東京糸井重里事務所 2013-02-01
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 「はなちゃんの夏休み。」、糸井さんの「ほぼ日」で夏と冬に登場す
る人気の連載が一冊にまとまった。石田ゆり子さんの愛犬はなちゃんか
ら糸井さんちの愛犬ブイヨンへの123通のお便り、それは、いつもい
つも同じことのくり返し、代りばえのしない毎日を楽しく生きているは
なちゃんからの愛にあふれるメッセージだ。

 もちろんラブラドールのはなちゃんはお便りなんか書けないわけで、
石田さんが書いているのだが、いやいやいや、これが本当に「才能」を
感じさせる素晴らしさ!わんちゃんが書いている設定だからほとんど漢
字もない読みやすい文章、こういうのって何回かならうまく書けても、
たくさん書くのは難しい。だけど石田ゆり子はそれをスイスイスイとや
ってのける。自らを「ばあや」と呼び、「ばあやはもう、よんじゅうね
んいじょうもいきているみたいなんです。かせきのようなばあやですよ」
などと自分のことを笑いのめし、はなちゃんの生活を愉快に活写する、
びっくりです。実は糸井さんも1通だけ「ブイヨンからのお返事」を書
いてるのだけど、やはり作為が見えちゃう。石田ゆり子、すごし!

 ゆり子家ははなちゃんの他に「どすこいおやじ」など4匹の猫までい
るのだけど、彼女の生き物への限りない愛がこの本の根底にはあるのだ
と思う。そして、お便りのしめくくりの言葉!これがなんとも良くて元
気が出て来るのだ。「ぶいちゃん、きょうもたのしくね、えがおで」、
「ぶいちゃん、あいさつは、おおきなこえで」「ぶいちゃん、まいにち、
すこやかでね、いっぱいわらってね」「きょうも、すてきな、みみのか
くどで」「ぶいちゃん、にくきゅうはやわらかく。きょうもいいこで。
げんきで」などなど。小さい頃は壁に穴を開けちゃうほどやんちゃだっ
たはなちゃんも今では11歳。そんなはなちゃんの「いま」をすべて受
け入れて、愛している石田さんが素敵です。絵本のように読み聞かせを
しているお母さんもいるとか。ぜひ一読を。(No.231)

◯「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載はこちらから。

                ◯ ◯

2013.2.25 iMacを買ったのでなんだかバタバタ。データ移行は思いが
けずスイスイといったので良かったけれど。読書、小川洋子「ことり」
が終わり、佐藤正午「カップルズ」へ。

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現状維持を選ばない難病患者、大野更紗の「困ってるひと」がスゴい。

困ってるひと困ってるひと
大野 更紗

ポプラ社 2011-06-16
売り上げランキング : 356

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 まずはタイトルが素晴らしい。「難病もの」によくこんな素敵なタイ
トルをつけた。パチパチパチ!つい「難病もの」と書いたけど、これは
「闘病記」ではない。「顛末記」だろうか。ビルマ難民問題に関心を持
ち、大学院にまで進んだ「ビルマ女子」が、ある日突然、得体の知れな
い病気にかかり病院を転々し、やっと病名が分かる。ホッとしたのもつ
かの間、入院した病院で彼女を待っていたものは…。

 自己免疫系だというこの病気、本当に凄まじい。「全身が腫れ、どこ
もかしこも触れられただけで針に刺されたような激痛が走り、手足は腫
瘍だらけ、脂肪織炎だらけ、すべての関節がブリキになったように強烈
に痛み軋み動かない、目は乾き腫れ、口の中は炎症で真っ赤…」、しか
し、大野更紗はこの本の中で泣き言などたれない。いや、いろいろ言っ
てはいるが、結果的にはたれてない。助けてくれ、何とかしてくれ、な
どとは言わず、ただただ「困ってる」自分について語っているのだ。し
っかり「現実」と向き合っているウェット感のない文章がいい。しかも,
大野嬢、普通こういう病の人なら「現状維持」だと思うのだが、彼女は
とにかくどこかに突っ走ろうとしてる。そして、最後には自らを野に放
とうとするのだ。病気はもちろんのこと、奇天烈な先生たちや複雑怪奇
な社会福祉制度などとバトルを繰り返しながら、人生のスタート地点に
たどりつくのだ。これはエクストリーム「困ってる」彼女から、なんだ
か物悲しい2012年の僕らへの強烈なるエールである。必読っ!
(No.188)

◎「困ってるひと」は2012年6月21日、ポプラ文庫で文庫化されました。
困ってるひと (ポプラ文庫)
大野更紗
4591130215

               ◯ ◯

2012.2.2 ううむ、いかん。寒いし、な。え~っと読書は積ん読本か
ら和田竜「のぼうの城」。あ、そうだ。試写会で「ドラゴン・タトゥー
の女」を見るが、これはいい出来。オリジナルへのリスペクトも感じら
れる。

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「てにをは辞典」、これがあれば表現の幅がグッと広がる!

てにをは辞典てにをは辞典
小内 一

三省堂 2010-08-24
売り上げランキング : 40222

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 まずは「てにをは辞典」ってなんだ?ってことになると思うのだが、
簡単に言うと「ことばのつながりがわかる辞典」だ。例えば「認識」と
いう言葉を引いてみる。するとその後には「▲が 甘すぎる。一致する。
薄い。… ▲を 新たにする。改める。一致させる。疑う。… ▲に 
差がない。従う。立つ。… ▼甘い。新たな。確実な。基本的な。… 
もっともっと事例は多いのだが、こんな感じの使い方例が掲載されてい
る。(もちろん縦書き)▲という記号は「認識」が上につく例で▼の方
は「認識」が下につく例だ。言葉の意味などは全く記されていない。こ
の使用例は編者である小内一氏が20年かけ、小説や評論、雑誌や新聞な
どから集めたものだ。採集した作者名のなかには阿久悠や中島みゆきな
どの名前もある。いやぁ、これは労作ですよ。本当に便利だし、見てる
だけでも楽しくなって来る。

 使い方はいろいろだが、次の2つが一番重要。まずは「使い方が正し
いかどうか確かめるられる」。文章書いてて、な~んか違うな?と思う
ことが時々ある。そんな時、僕はGoogleにその表現を入れてみて、ヒッ
トが多ければ安心するのだが、その場合、みんなが間違ってる、という
こともありえる。その点、この辞書を使えば安心だ。2つめは「表現の
幅が大きく広がる」ということ。たとえば一つの文で同じ言葉を使った
表現を繰り返す場合がある。まったく同じというのはみっともないしや
りたくないのだが、どうしても思い浮かばない時もある。そんな時にこ
そこの辞書の底力が発揮されるだ。お~そうか、そうか、こういう言い
方があったのか!と驚くこともしばしばだ。書く仕事をしている皆さん
はもちろんだが、最近はブログやツイッターなど素人でも表現の場が広
がっている。そんな時の一助になることは間違いなし。一度使うと手放
せなくなる辞典だ。(No.139)

               ◯ ◯

2011.3.6 bk1の「今週のオススメ書評」に川上弘美「風花」が選ばれ
ました。ブログでの紹介は、こちら。「今週のオススメ書評」は、こち
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