■あ行の作家 no.69        

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【書評】小川洋子「琥珀のまたたき」

◇幽閉された子供たちのピュアではかない暮らし。
琥珀のまたたき琥珀のまたたき
小川 洋子

講談社 2015-09-10
売り上げランキング : 14273

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 小川洋子は尋常ではない状況に置かれた人間たちをよく描く。近年で
は「人質の朗読会」が思い出される。「琥珀のまたたき」もまた、そう
いう物語である。この話の主人公は琥珀という名を与えられた1人の少
年。彼には姉のオパール、弟の瑪瑙(めのう)という姉弟がいる。

 末妹は病で亡くなったのだが、彼らの母親はその原因になった「魔犬
の呪い」から逃れるという口実で、3姉弟を父親が残した別荘に閉じ込
める。彼らは敷地内から出ることも許されず、母親は日々、療養施設に
働きに出かける。幼い3姉弟だけの時間。小川洋子の静謐な筆致で描か
れる子供たちの日々。それは、けっして退屈なものではなかった。彼ら
は自由な発想で様々な遊びを生み出していくのだ。

 ある日、琥珀は自らの左目に異常を感じ、見えにくくなった目の中に
亡くなった妹の姿を見出す。そして、父親が残した大量の図鑑の片隅に
その姿を描き留めることを始めるのだ。それはパラパラ漫画のように活
き活きと妹の姿を蘇らせる。母と姉弟たちと皆でそれを見る場面が強く
心に残る。この小説は3姉弟の暮らしを描くと共に、アンバー氏と呼ば
れる年老いた琥珀の姿も同時に紹介していく。老人が人々に見せる「一
瞬の展覧会」の描写もとても美しい。

 ピュアではかない彼らの暮らしを見つめる作者の目は優しく慈愛に満
ちている。しかし、そういうものが長く続かないことを作者もそして僕
たちもすでに知ってしまっているのだ。(No.347)

◯小川洋子のその他の本のレビューはこちらから。
※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.12.20 作詞家の岡本おさみさんが亡くなった。「落陽」など吉
田拓郎の歌をたくさん思い出す。読書は東山彰良「流」。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
スポンサーサイト

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【書評】池井戸潤「下町ロケット」

◇池井戸潤が巧いのは、常に対立を作り出していること。
下町ロケット (小学館文庫)下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤

小学館 2013-12-26
売り上げランキング : 183

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 直木賞受賞作。池井戸潤は原作のドラマはけっこう見てるが、小説を
読むのはこれが初めて。累計でもう100万部以上売れてるんだなぁ。す
ごい。この小説、下町の工場がなんとロケットを作って打ち上げちゃう
という話かと思ったらちょっと違った。ま、そうですよね、ロケットな
んてそうカンタンにはできない。

 冒頭はロケットの打ち上げシーン。クライマックスを最初に持って来
たのかな、と思ったらこれも違った。この話の主人公佃航平は、このロ
ケットの打ち上げ失敗で技術者の道を諦め、実家である町工場を継いで
社長になっている。佃製作所というこの会社、技術力には定評があるの
だが、物語の前半では、大きな取引先から取引終了を告げられたり、大
手メーカーからいわれもない特許侵害を訴えられたりと散々で会社とし
ても窮地に追い込まれる。ロケットはどうした?と思っていると国産ロ
ケットを開発する帝国重工という大企業から佃製作所が持っているエン
ジンのバルブシステムの特許を売って欲しいと連絡が入る。社員たちは
小躍りするのだが、佃は…。

 おもしろくなるのはここからだ。池井戸潤が巧いと思うのは、常に対
立を作り出していること。それも敵対味方という単純なものではなく、
敵の中に味方が現れたり、味方の中に敵がいたりする。そして、ある劇
的なポイントがあって、そこでいろいろなことが裏返る。これは他の原
作ドラマでも感じていたことだ。さすがヒットメーカー!読者が夢中に
なるツボを心得ている。後半はもうエンディングまでノンストップで突
っ走る感じ。途中で読むのを止めるのが難しい。経営者としての自分と
夢見る自分の間で葛藤する佃、そして社員たちのプライドを掛けた戦い
に強く心を揺さぶられる。今度の日曜日から始まるドラマが楽しみだ。
(No.339)
 
◯「下町ロケット」、ドラマのホームページはこちら

            ◯ ◯

2015.10.13 ラグビーも終わったし、いや終わってないけど日本は終
戦。よくがんばったなぁ。読書、村上春樹「職業としての小説家」。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【書評】朝井リョウ「武道館」

◇「素人くさいアイドル」の物語はおもしろいのか?
武道館武道館
朝井 リョウ

文藝春秋 2015-04-24
売り上げランキング : 5696

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 愛子は子供の頃から歌って踊るのが大好きな女の子だった。そんな彼
女が高1になったばかりの春に「アイドル」になった。NEXT YOUとい
う6人グループのメンバーだ。物語は武道館でのコンサートをめざす彼
女たちの日常を描くと同時に、様々に揺れ動く愛子の思いに迫っていく。

 アイドルとしての日常。あきらかにAKBをモデルにしたような特典商
法や握手会。そして、メンバーの卒業。そんな中で愛子は自分で抑える
ことができない「思い」があることに気がつく。帯につんく♂が「なん
たる野望。なんたるマニアック。なんたる妄想力。」とコメントしてい
るが、残念ながらこの小説、内容的にはそれほどのものではない。アイ
ドルを描くならば芸能界を含めてもっとディープなものにして欲しかっ
たのだけど…これが限界なのかなぁ?

 ただおもしろいな、と思ったのは、愛子という女の子は素人くさいア
イドルなのだ。AKBも一部を除いてはとても素人くさい。等身大のアイ
ドルを描く、という以前に彼女は等身大でしかない。それがおもしろく
もあり、つまらなくもある。なんだかすべてに既視感があるのだ。

 ラスト。最終的なゴタゴタを描かずに、こういう終わりにしたのは朝
井リョウの巧みさではあるけれど、物足りなさを感じるのも事実だ。素
人くさいアイドルを千尋の谷に突き落としちゃって、どうなるかを見た
い、などと言うのは異常なのかなぁ…。朝井リョウの小説としては物足
りなさを感じた1冊だった。(No.335)

◯「武道館」の文春特設サイトはこちら
◯朝井リョウのその他の本のレビューはこちらから。
※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.8.21 甲子園も終わって、ちょっと気温の低い日が続いて…。猛
暑がぶり返しませんように。読書は額賀澪「屋上のウインドノーツ」。


【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

【書評】絲山秋子「離陸」

◇時間と空間、生と死…浮遊感を感じる不思議な物語。
離陸離陸
絲山 秋子

文藝春秋 2014-09-11
売り上げランキング : 146677

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 絲山秋子は好きでほとんどの小説を読んでいる。ただ、この「離陸」
は理解するのが難しい。だからといってつまらないわけではなく、なん
だか「不思議な感じ」がしてとてもおもしろいのだけど。ひとつだけハ
ッキリしているのは絲山秋子は物語というものに挑戦状を突きつけてい
る。そんな感じがする。

 八木沢ダムで管理の仕事をする国交省の若い役人佐藤のもとに、イル
ベールという謎の黒人が訪れ「女優」を探して欲しい、と頼む。「女優」
とは佐藤の元の彼女乃緒(のお)のことで、彼の前から突然姿を消して
いた。このあと主人公である佐藤は、パリ、熊本八代、福岡、佐賀の唐
津と居所を変えていく。こうした空間移動の中に時空間の話が紛れ込む。
佐藤はパリで、1930年代に乃緒がマダム・アレゴリという名でスパ
イとして暗躍していたという文書を手に入れるのだ。

 この物語では佐藤の大切な人が次々と死んでいく。彼は言う、人はみ
な最後には飛行機みたいにこの世から離陸していく。生きてる自分たち
はまだ空港にいて行列に並んでいるのだと。時間と空間、生と死…そこ
に生きている自分。そんなことを考えているとなんとも「不思議な感じ」
になってしまう。それは浮遊感と呼んでいいものなのかもしれない。

 ミステリアスで不思議な物語であるけれど、実はリアルで心に残るエ
ピソードも多い。パリで結ばれた女性リュシーとのこと、乃緒の息子ブ
ツゾウとの交流、佐藤の妹で目が見えない茜のこと。そして、佐藤の身
近に常にある「水」のイメージ!これは、繰り返し読むことで作者の意
図がさらに見えてくるに違いない深くて豊かな物語。(No.325)

◯絲山秋子、その他の小説の書評はこちらから。
※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.5.16 5月に半袖のTシャツでうろうろしてる私。なんだかもう
四季がよくわかんないな。読書は、北村薫「太宰治の辞書」。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【書評】上橋菜穂子「鹿の王」

◇2人の男を通して描かれる、力強い生命の物語。
鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐
上橋 菜穂子
4041018889
鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐
上橋 菜穂子
4041018897

 今年の本屋大賞受賞作。作者の志の高さを強く感じる物語だ。「鹿の
王」は単なるファンタジーではなく、医療ミステリーであり、冒険小説
であり、人間小説でもある。

 舞台は大帝国・東乎瑠(ツオル)に征服されたアカファ領。そこには
元々の住民、東乎瑠からの移住民、さらには「火馬の民」などの辺境の
民がいる。それぞれの思惑が絡み合い、それはまるでこの世界の紛争地
の縮図のようにも思える。そして、主人公の2人。1人は「欠け角のヴ
ァン」。妻と子を亡くし、絶望から死に場所を求めていた戦士団「独角」
の頭。もう1人は高度なオタワル医療を受け継ぐ医術師ホッサル。犬の
群れの襲撃から起こった病でなぜか生き残ったヴァンがもう1人の生き
残り幼子ユナと逃亡の旅に出る。ここから物語が動き出す。彼らを待っ
ているのは…黒狼熱、犬の王、沼地の民…。そして、2人を追うサエと
いう後追い狩人の娘の存在。

 犬に噛まれたことでその身体に異変をきたしたヴァン、病の治療法を
なんとか見つけ出そうとするホッサル。2人の存在とその在りようはこ
の物語の中でも際立っている。ウイルスの話が人間世界とシンクロし、
さらに深遠な物語世界を造り出す。圧巻なのは下巻の半ば辺りから。病
のこと、命のことを主人公たちが語る長い場面、そして、驚きの謎解き
とヴァンの決断!

 絶望の縁にいて、もう生きていたくないと思っていた男が最後にとっ
たこの行動は、読むものの心を強く打つ。それはまさに、作者が放つ生
命に対する力強いメッセージだ。「生命」そのものを描いて、これは忘
れることができない物語になった。(No.322)

◯上橋菜穂子のその他の本の書評はこちらから。
※一番上にはこのページがでます。 

            ◯ ◯

2015.4.17 ううむ、やっと春らしい春になって来たのかな。いろいろ
とやることがあるような、ないような。読書は絲山秋子「離陸」。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【書評】逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」

◇やはり名作!見事なキャラクター造形とその語り口。
百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫)百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫)
逢坂 剛

集英社 2014-03-20
売り上げランキング : 558

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ドラマを見ていて、昔から世評の高かったこの小説を読んでみたくな
った。僕にとってこういうことは珍しい。ドラマの「mozu」はスタイ
リッシュでなかなかおもしろかったけれど、やはり、原作には及ばない。
ドラマは最終的な詰めの甘さがある。いずれにしても、ドラマを見る前
に読むべきだったなぁ、と反省しきり。何も知らなければ、もっともっ
と楽しめたのではないだろうか。

 物語は都心で起こった爆発事件を発端に、その犯人と思われる男の話
と彼を追う公安の倉木たちの話が交錯しながら語られていく。倉木はこ
の爆発事件で妻を亡くしている。この小説、何といってもキャラクター
の造形がいい。倉木のクールさ、百舌の怪しさ、さらに脇を固める人間
たちのキャラも際立っている。あとは逢坂剛の語り口の見事さ。ハード
ボイルド的な魅力が横溢している。

 物語は終盤に向かってグイグイと突き進んでいき、怒涛のラストを迎
える。「百舌の叫ぶ夜」で最終的に語られるのは警察・公安の闇である。
倉木たちが事件を追う中で明らかになっていくその闇の深さ!そこに一
矢報いようとする「百舌」の存在とその執念。これはやはり名作と呼ぶ
にふさわしい一冊だ。(No.291)

◯文庫の「百舌」シリーズについてはこちら。 

            ◯ ◯

2014.7.7 七夕、らしい。ワールドカップも終盤。コスタリカ、がんば
ったなぁ。読書は山本文緒「なぎさ」がなぜか進まず。台風が気になる。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【書評】朝井リョウ「スペードの3」

◇生まれ変わろうとする3人の女性の姿を鮮やかに描いた傑作。
スペードの3スペードの3
朝井 リョウ

講談社 2014-03-14
売り上げランキング : 20052

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 若き直木賞作家朝井リョウが社会人を主人公に描いた初めての小説だ。
でも、ま、そんなことはある意味どうでもいい。それより、前にもちょ
っと触れたが、彼の作品を読むとまるで女性作家が書いた物語のような
錯覚を覚えてしまう。「スペードの3」は3つの物語からなる連作小説
だが、各々の主人公である3人の女性の心理を作者は本当にリアルに、
そしてきめこまやかに描いている。こういう物語を男性が書けることが
驚きである。

 最初の一編から物語の世界にグイグイと引き込まれる。宝塚をモデル
にしたと思われる劇団の卒業生である女優の香北つかさ、彼女にはファ
ミリアという狂信的とも言えるファン団体がある。「家」はファミリア
の幹部組織で主人公の江崎美知代はその中心人物だ。つかさを「つかさ
様」と呼ぶ会員たち。事務的な仕事に明け暮れる美知代にとってはファ
ミリアこそが生きがいだった。小学生時代はクラスの中心にいていつも
学級委員だった美千代。そんな昔の彼女を知った人物が登場することで
物語は大きく動く。ここでのミステリー的な作りが大きな効果を上げて
いる。

 さらに美知代の同級生だったむつ美という女性、そして、香北つかさ
の物語が続く。3人の女性の時間を交錯させながら、それぞれが生まれ
変わろうとする姿を描き出したのがこの「スペードの3」という小説だ。
小学生、中学生、社会人、そして、芸能界と多彩な時間と空間が描かれ
ているこの話には、特に女性は共感するところが多いだろう。ひとつ注
文があるとするならば、短くてもいいから、最終章のようなものが僕自
身はあればいいな、と思った。(No.284)

◯朝井リョウのその他の本のレビューはこちらから。 

            ◯ ◯

2014.5.14 コンピュータトラブルで大分お休みしちゃいました。すみ
ません。データも無事戻ったので正常運転に戻ります。読書は村上春樹
「女のいない男たち」、もうすぐ終了予定。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【書評】尾﨑英子「小さいおじさん」

◇後半になって生まれるうねりがなんだかちょっとスゴい!
小さいおじさん小さいおじさん
尾崎 英子

文藝春秋 2013-10-24
売り上げランキング : 55866

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 曜子と紀子と朋美、中2の時にクラスメートで今28歳というビミョ
ーな年齢になっている3人の女性たちが主人公。なんだか急にはじけち
ゃった母親のことが気がかりな曜子、ママ友ができずにちょっとストレ
スがたまっている紀子、そして、朋美は不倫相手が突然この世から消え
てしまい、そのことを受け入れられないままでいる。

 こういう女性たちの話は最近よく読むし、よくある感があって最初は
なかなか乗りきれなかった。ただ、朋美が同窓会で話した、学校の近く
の神社で見たという人差し指ぐらいの小さいおじさんの話がいいアクセ
ントになっている。これがあるおかげで物語の興味を後半までつなげる
ことができた。

 3人は仲良しグループというわけではない。物語が進むに連れて新た
な接点も生まれたりするのだが、住む場所も違うし、世界も違う。それ
でも彼女たちが遠い中学時代を起点に「ライトにつながっている」感じ
がなんだかとてもいい。物語は後半になってグングンとうねりが出てき
て、おもしろくなってくる。特に曜子と母親のスナックでの対決シーン
は傑作。これスゴいなぁ。この小説、意外にも家族小説でもあるんだな。
読後感もすごく良く、なんだか元気まで出てきた。

 ボイルドエッグズ新人賞の受賞作。尾﨑英子(サキはこっちの﨑)、
巧いし、新人とは思えないしっかりとした文章を書く。次回作が楽しみ
だ。小さいおじさんが出てくるのはまったくかまわないが、これ、タイ
トルにしたのはどうなのかなぁ?マイナスになってるような気がするけ
れど…。(No.275)
            ◯ ◯

2014.3.6 サッカー日本代表、4点は取ったけど…どうなのかなぁ。な
でしこの方は大分良くなってきてる。読書はヨシタケシンスケ「せまい
ぞドキドキ」。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

子規の青春の輝きを描いて心に残る、伊集院静「ノボさん」。

みなさん、遅まきながらあけましておめでとうございます。今年もこの
長ったらしい名前の本のブログをどうぞよろしくお願いします。思い切
って、デザインも変えてみました。では、本年1冊めのレビューです。

ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石
伊集院 静

講談社 2013-11-22
売り上げランキング : 3388

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 サブタイトルは「小説正岡子規と夏目漱石」。ノボさんこと正岡子規
のことは昔から興味があったが関川夏央が書いて、このブログでも紹介
した「子規、最後の八年」を読んで、さらに興味が深まった。そして、
名手伊集院静の手になるこの一冊!副題の通り、2人の物語ではあるけ
れど、読後に残るのはやはり正岡子規という稀有な存在のことである。

 小説は明治二十年、ノボさん21歳の秋から始まる。彼が当時夢中だ
った「べーすぼーる」に興じる姿はまさに青年子規の象徴である。帝大
の予備門に一発で合格した天才児。漱石はもちろんのこと一度会っただ
けで人を魅了してしまうその人間的魅力。前半で描かれるのは、まさに
彼の青春の輝きだ。夏の勉強会と称して向島に長逗留する話は前半の白
眉、強く印象に残る。

 後半では血を吐いて肺結核、さらにはカリエスになり動くこともまま
ならない彼の姿がある。ここで描かれるのは、傑出した文学者としての
子規の大きさ、そして、彼の存在が後に続く俳句の連峰、短歌の峰々、
小説の峰を作り出したという事実である。もちろん、漱石との強い友情
も心に残る。2人がこれほど心を通わせ、深いところで結ばれていたと
は。彼をひたすら支え続けた母の八重と妹律の姿も感動的だ。(No.267)

◯伊集院静のその他の本のレビューはこちらから。
◯関川夏央「子規、最後の八年」の書評はこちらです。 
◯あ、前項で去年のベストワンブックを発表したので見てくださいね。       

            ◯ ◯

2014.1.7 というわけで、昨日から仕事も再開しました。まぁボチボチ
やります。読書はジェフリー・ディーヴァー「シャドウ・ストーカー」。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。
他の書評ブログもここから。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

十二国記 、12年ぶりのオリジナル短編集「丕緒の鳥」。

丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫)丕緒の鳥 十二国記 (新潮文庫)
小野 不由美 山田 章博

新潮社 2013-06-26
売り上げランキング : 1103

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 何をおいても僕は物語が好きだ。エッセーも読む、ノンフィクション
も読むけれど、やっぱり小説が一番。そして、これまで読んできた物語
の中でナンバー・ワンだと断言しちゃうのが、小野不由美の「十二国記」
シリーズだ。昨年から、新潮文庫で完全版がスタートし、オリジナルの
短編、そして、書下ろしの長編がアナウンスされた。これはファンにと
って、本当に待ちに待った出来事だった。

 さて、その短編集「丕緒(ひしょ)の鳥」である。4つの物語が収め
られている。読み進めるうちに一気に十二国記ワールドに引き戻された。
このシリーズは漢字も多いし、登場人物の名前も覚えにくく、ルビもひ
と癖ある。普通なら読みにくいはずなのだが、そのすべてが物語世界を
創り出している要素だと分かっているから、少しも苦にはならない。そ
れよりあの世界が手元に戻ってきた実感があり、うれしくてたまらない
のだ。

 4つの中では表題作と最後の「風信」が特にいい。各編に共通してい
るのは、国が荒れ不穏な状況が続いていること。その中心に男たちがい
ること。そして本編がそうであるように、描かれているのはまさに「人
間自身」であることだ。いつもそこで心を強く揺さぶられる。申しわけ
ないが、ここで「十二国記」がどんな物語かを説明することはしない。
しかし、まぁ、小野不由美って本当にすごい。未読の人は物語の最初か
ら順番に読んで欲しい。こんな幸せな読書体験はそうそうあるものでは
ない、ぞ。(No.259)

◯「十二国記」シリーズの公式ホームページはこちら

               ◯ ◯

2013.10.15 十年に一度の台風、接近中。なぜか、花粉症がひどい。
隣との塀がぶっ壊れなければいいなぁ。読書はスティーヴン・キング
「11/22/63」。これはおもしろいっっっ!

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。他の書評ブログもここから。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

プロフィール

オクー

Author:オクー
コピーライターであるようだ。
吉祥寺にいるようだ。
そんなに若くはないようだ。
犬ブログもよろしく!

okuuuをフォローしましょう
更新情報はツイッター
フェイスブックで。
Akihiko Okumura

amazon
電子書籍で探す!
映画・ドラマなら
News
最新記事
お気に入りリンク
ブログランキング
blogram投票ボタン
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブログ村
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。