川上未映子 no.7        

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川上未映子「ヘヴン」、大きな問いかけを含んだ問題作。

「いじめ」を描く中で著者が語りたかったものは…。
去年の話題作。川上未映子を読むのは初めて。大阪弁の小説も知らない
し、芥川賞の「乳と卵」も未読だ。この物語はいじめを描いているけれ
ど、それだけではなく、さらに大きなテーマをも含んでいる。

ロンパリとあだ名されいつもいじめられている斜視の「僕」、そして、
同じようにいじめを受け、「僕」と同志的なつながりを持つ女生徒コジ
マ。コジマは「僕」に対して、自分たちは弱いんじゃない、自分たちは
何が起こっているのかちゃんと理解し受け入れている、それは「強さが
ないとできないことなんだよ」と言い、いじめられながらも精神的にど
んどん強くなっていく。

「僕」はいじめる側の少年百瀬と偶然出会い「なんで、…君たちはこん
なことができるんだ」と詰め寄る。しかし彼は、斜視なんてまったく関
係ないと言い、「べつに君じゃなくたって全然いいんだよ。誰でもいい
の。たまたまそこに君がいて、たまたま僕たちのムードみたいなのがあ
って、たまたまそれが一致したってだけのこと」「自分がされたらいや
なことからは、自分で身を守ればいいじゃないか」と平然と語る。百瀬
のこの長い長い語りは、あるところでは共感さえ覚えてしまう。何より
作者が語りたかったのはこの世界の理不尽さに違いない。「強者と弱者」
「善と悪」、それだけでは片づけられない人と人との関係。様々な価値
観。ラストは明るく希望を感じる終り方だが、胸の奥には重くどんより
とした気分が残る。その重さこそがこの小説の価値だと思う。

ヘヴン
4062157721

◎「ヘヴン」は2012年5月15日、講談社文庫で文庫化されました。
ヘヴン (講談社文庫)
川上 未映子
4062772469


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