◯ノンフィクション no.84        

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「津波と原発」、福島のチベットはいかにして原発銀座になったか。

津波と原発津波と原発
佐野 眞一

講談社 2011-06-17
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 人によっては思ってる内容と違ってもの足りなく感じるかもしれない。
それは、完全書き下しではなく、二部構成の一部は雑誌「G2」、二部
の第一章は「週刊現代」に掲載されたものが元になっているからだろう。
全体的にもう少し突っ込んで書かれていたらなぁ、東電という企業の闇
にももっとグイグイと迫ったらなぁ、と僕自身も思った。しかし、この
本、つまらないのかと言えばそんなことはまったくない。「津波と原発」
には硬派ジャーナリストである佐野眞一らしさが横溢している。

 第一部の「日本人と大津波」は震災一週間後に現地を訪れたルポであ
る。ここに登場するのは気仙沼に住む新宿ゴールデン街でおかまバーを
やっていた「キン子」ママ、元共産党の文化部長、「定置網の帝王」と
呼ばれるプロ中のプロの漁師などなど。彼らの話がいちいちおもしろく、
しかも、心にグッと迫る。このあたりのアプローチはさすが佐野だ。こ
ういう話は新聞では絶対に読めないだろう。第二部「原発街道を往く」
ではさらに、当日福島第一原発で働いていたいわゆる「原発ジプシー」
の男や浪江の大規模牧場の主なども登場する。第二章以降で語られるの
は「福島のチベット」と言われた浜通りが原発銀座へと様変わりしてい
く、そのプロセスだ。こここそがこの本の要である。登場するのは正力
松太郎、堤康次郎、木村守江などの権力の亡者たち。読んでいると「こ
いつらって本当にもう」とあきれると同時に、原発誘致しか術がなかっ
た現地の荒廃と貧しさに暗然とする。その時、反対運動はほとんどなか
ったと言う。「あとがきにかえて」という形でそのエッセンスを伝えて
いる、政治学者原武史とジャーナリスト森達也との対談、孫正義へのイ
ンタビューも大変興味深い。(No.173)
               ◯ ◯

2011.9.20 またまた台風がやって来る。名古屋が大変だ。福島の原発
の台風対策は?気になる。読書はいがらしみきおのコミック「I(あい)」
こ、これはスゴい。

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トヨザキ社長は書評ブログが嫌い!?「ニッポンの書評」。

ニッポンの書評 (光文社新書)ニッポンの書評 (光文社新書)
豊崎 由美

光文社 2011-04-15
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 書評家(ブックレビュアー)の書いた書評の本を書評する何てなぁ。
しかも、著者はあのトヨザキ社長!僕、この人大好きです。ハッキリ物
を言う人はとにかく好き。と、一応、持ち上げておこう。これを読んで
(読まないっ)何言われるかわからんし。大体、豊凬さん、この本にも
書いてある通りブログ書評に否定的なんです。「ブログで書評を書いて
いる皆さん、あなたがたは守られてるんです。安全地帯にいるんですよ」
と言われれば、まさにその通り、返す言葉はない。「なぜ他人様が一生
懸命書いた作品をけなす必要があるのでしょうか。卑怯ですよ」「匿名
の書評ブログを開設している方は、今後は愛情をもって紹介できる本の
ことだけをお書きになってはいかがでしょうか」と言われれば、そうな
のよねぇ、でも、ここで悪口書いたのは3~4冊のはず、と開き直って
みたり。それにしても、そんな本の書評…書けるかしらん?

 光文社のPR誌に連載されたものをまとめたこの新書、前半は、粗筋
紹介も立派な書評だとか、ネタばらしはどこまで許されるのかとか、興
味津々の内容でとてもおもしろい。おもしろいのだけど、ここで否定さ
れた人、例えば、粗筋を一から十まで紹介しちゃう文芸評論家とか、物
語の肝を平気でばらしちゃう人に豊凬さんが言ってることが通じるのだ
ろうか?そーゆーわからん人はいくら言っても絶対にわからん。このデ
リケートな問題を著者は例を交えながら丁寧に紹介してるのだけど、プ
ロでもアマでも通じない人には通じない。それが、ちょっと悲しい。そ
の後には、新聞各紙の書評五段階評価、「1Q84」書評の読み比べな
どもあり、本好きなら大いに楽しめる内容。最後の「トヨザキ流書評の
書き方」と大澤聡さんとの対談も貴重だ。惜しむらくは、全体を通して
ツイッターで作家の渡辺某をメッタ切りにしてるような迫力がないこと。
もっとけちょんけちょんに言っちゃえばいいのに、トヨザキ社長!
(No.170)
               ◯ ◯

2011.9.4 スローな台風の影響か、突然の雨と突然の晴れ間が交互に
やって来るというヘンな天気の東京地方。今週はもう涼しくなるの?

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こんな男がいたんだなぁ、粋な芸人柳家三亀松の一代記。

浮かれ三亀松浮かれ三亀松
吉川 潮

新潮社 2000-05
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 僕は昔から演芸が好きで、テレビで落語とか漫才とかを熱心に見てい
た。この本の主人公である柳家三亀松の芸もぼんやりとだが見た記憶が
ある。亡くなったのは昭和43年なので、見ていて少しもおかしくはない
のだが、なんだかのんびりとしたそのテンポに「この人、いったいなん
しょっと?」と九州の無粋な子供は思っていた。しかし、このおっさん、
実はなんとも粋でかっちょいい人だったんだなぁ。

 明治34年に深川に生まれた江戸っ子、というより深川っ子の三亀松。
この本は都々逸やさのさ、三味線漫談などで一世を風靡した天才芸人、
柳家三亀松の一代記だ。作者の吉川潮はこのブログでも紹介した「江戸
前の男-春風亭柳朝一代記
」で評価を高めた人だが、ていねいな取材ぶ
りが素晴らしい。これだけのものを書いてもらえれば、三亀松師匠も大
満足だろう。それにしても、三亀松って人は本当にすごい。女性関係も
派手だが、金の使いっぷりが尋常ではない。とにかく世話になった人間
にはどんな人にも心付けを渡す。頻繁に東京、大阪を往復したので東京
駅の駅員にも渡していたというから驚く。そんな三亀松が宝塚の娘役だ
った人気スターと結婚する話や弟子・亀松との確執と仲直り、ヒロポン
中毒で苦しむ話など読ませるエピソードがいっぱい。もちろん舞台の様
子もしっかりと再現されている。三亀松って、キュートとかチャーミン
グとかシャイとか、そんな言葉がぴったりの男。作者も書いているが現
代なら立川談志(大好き!)みたいな、しゃれた芸人だったのだ。こん
な男がいたんだなぁ、と思いながらページをめくるのは何とも愉快だ。

 吉川さんの本、なぜか絶版が多い。こんなにおもしろいのに。文庫も
出ていてそれも絶版状態なので、装幀のいい単行本をあげておくことに
する。(No.123)
               ◯ ◯

2010.12.23 今日は誕生日で7歳になった。17歳か27歳か37歳か47
歳か57歳か67歳かは定かでない。まさか、天皇陛下と同じ77歳ではな
いよなぁ。でも三亀松なんて古い芸人の本紹介するんだからわからんぞ。

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粋を貫き通した落語家春風亭柳朝の生涯、吉川潮『江戸前の男』。

江戸前の男―春風亭柳朝一代記江戸前の男―春風亭柳朝一代記
吉川 潮

新潮社 1996-05
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 「江戸前の男」の主人公は落語家の春風亭柳朝。え~と、そう春風亭
小朝の師匠である。かっこつけたがりだけど照れ屋で、野暮ったいこと
が大嫌い、思ったことをポンポン言うけれど結構小心者、粋を貫き通し
た江戸っ子落語家を作者吉川潮は本当にていねいに取材し、見事な一冊
に仕上げている。惚れ抜いてるからこそ書けた本だと思うが、これ一冊
で柳朝の人となりとその生涯がクッキリと浮かびあがってくる
のだから
書かれた本人も満足だろう。

 序章に彼の死を持ってきた構成も見事。小朝が葬式に(立川)談志が
来るかどうかやきもきするところ、談志があらわれ、「うん。来るべき
時だから来た」と言い放ち「じゃあな」とかっこよく去っていくところ、
小学校の同級生の会話から回想になるところなど、まさに落語のまくら
の感覚で、本編にすーっと入っていく。最終章は8年間の闘病生活のエ
ピソード。病に倒れても、江戸っ子らしさ、落語家らしさを忘れない柳
朝の姿をいとおしさを込めて描く作者のやさしさが何とも素敵だ
。文庫
も出ているが、単行本・文庫ともに今は絶版状態のようなのであえて装
幀がかっこいい単行本で紹介した。(No.101)

               ◯ ◯

2010.10.18 さてと、コピス騒動も一段落かな、吉祥寺。さすがにこの
ブログでも「ジュンク堂 吉祥寺」で検索して来てくれた人がかなりい
ました。吉祥寺の書店、大も小も古書店も共存共栄できればいいけれど。

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『風々院風々風々居士 山田風太郎に聞く』、ふ~っ!

達観でもなく諦観でもなく、その心のありようがとてもいい。

風々院風々風々居士―山田風太郎に聞く (ちくま文庫)風々院風々風々居士―山田風太郎に聞く (ちくま文庫)
山田 風太郎

筑摩書房 2005-06-08
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 タイトルになっている「風々院風々風々居士」、これは山田風太郎が
勝手に名付けた自らの戒名である。最高じゃないか!しゃれっけのある
人なのだ。そんな山田風太郎に森まゆみが会って話して、その話をまと
めた聞き書き集がこの本。山田風太郎といえば何といっても「忍法帖シ
リーズ」である。おもしろすぎるほどおもしろい。次から次へと繰り出
される奇想天外な忍法にア然とし、ストーリーテラーとしてのうまさに
ボー然とする。そんなシリーズの著者の名前が「風太郎」なのだから、
もう、何をかいわんや!とにかく読めばよろしい。読んで読んでその世
界にどっぷり浸れば幸せなのである。

 聞き手の森さん、この人も、ただの(すまん)谷根千の女(すまん、
すまん)かと思っていたら、いろんな方面に興味があるらしく、しかも
深く激しく潜行する人のようで、なんだか素晴らしい。その彼女が風太
郎さんの大ファンなのだ。この座談ではちょっと緊張しながらも、しだ
いに打ち解けていく感じがよくわかる。話は戦争のこと、生い立ちのこ
と、本のことなどなど、本当に楽しい。そして、山田風太郎の心のあり
ようの素敵なこと。達観というのでもなく諦観というのでもなく、その
名前のようにひょうひょうとしている。この聞き書きを読めば、彼の人
となりがよく分かるに違いない。第三章の明治小説についての座談も貴
重だ。僕はまだ風太郎もう一方の柱である、この明治小説には1冊も手
をつけていない。しかし、これは読まんとイカンなぁ。やたらとおもし
ろそうだもんなぁ。(No.97)

               ◯ ◯

2010.10.6 朝日新聞から紙面モニターの謝礼の図書カードが届く。ム
フフフフ、うれしい。あれとあれとあれも買っちゃおうっと。あ、明日
から「ブラタモリ」再開ですよ、お忘れなくね。


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7年前の打ち上げから追い続けた、山根一眞「はやぶさの大冒険」。

はやぶさと共に大冒険している気分、帰還の場面ではまたまた泣けた。

小惑星探査機 はやぶさの大冒険小惑星探査機 はやぶさの大冒険
山根 一眞

マガジンハウス 2010-07-29
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 山根一眞さんのこの本は、はやぶさのあの感動的な帰還からそれほど
間を置かずに発売された。それもそのはず、山根さんは7年前の打ち上
げの時からすでに取材をスタートさせ、ずっとフォローしていたのだ。
ほとんどの日本人がそれほど興味を持っていなかった打ち上げにもちゃ
んと立ち会っている。はやぶさ人気で関連の本も出ているが後追いじゃ
ない取材はさすが山根さん、これははやぶさを7年間真摯に追い続けた
詳細な記録だ。

 はやぶさについては僕自身、帰還が近づいてからいろいろ知ったくち
で、まったくのにわかファンである。知らないことも多い。実はこの本
でも最初から激しく驚かされる。長さ535mしかないイトカワの公転速
度は秒速30キロ、ハンマー投げのハンマーを投げ出す直前の速度が秒
速30mなので、その1000倍の速さで動いてるイトカワにはやぶさを着
地させなくてはならない。そのためにはやぶさは、2年間かけてイトカ
ワと同じ速度になるよう(そうすれば止まっているのと同じだから)加
速し続け(!!!)飛んでいたのだ。う~む、そうだったのか。「はや
ぶさがイトカワをピタリとらえるのは、東京から2万キロ離れたブラジ
ルのサンパウロの空を飛んでいる体長5ミリの虫に、弾丸を命中させる
ようなもの」というのだから本当にスゴい。

 こんな話で度肝を抜かれ、さらに、何度ものトラブル、行方不明の日
々など知ってることや知らないことをいろいろと読んでいるうちに、あ
~はやぶさ、本当に良く戻って来たなぁ、と改めて感嘆してしまった。
山根さんは、トラブルなどその折々にスタッフにインタビューをしてい
るので、その時の状況や問題点がわかりやすく、いつの間にかはやぶさ
と一緒に大冒険をしてる気分になってしまう。そして、最後の地球帰還、
作者自身、豪州まで足を運んで書いているのでこれは本当に感動的。ま
たまた涙が出そうになった。それにしても、大冒険を支えた日本の技術
者たちの技術力、応用力、危機管理能力、大胆な決断は本当に素晴らし
い。これを読めばそのことがはっきりとわかる。最後にひと言付け加え
れば、もし、カプセル内の微粒子がイトカワのものでなくても、イオン
エンジンの長期に渡る運用などこのプロジェクトは世界中から大きな大
きな称賛を受けている。本当に世界に誇る大冒険だったのだ。(No.82)

               ◯ ◯

2010.9.2 あ~僕にしては珍しく長々と書いちゃった。いやぁ、これは
本当にいいですよ。はやぶさ2も決まったみたいで、よかったよかった。

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「磯崎新の「都庁」」で戦後の日本建築史がわかるっ!

相手は「天皇」丹下健三、磯崎新は出来レースにどう挑むのか?

磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ磯崎新の「都庁」―戦後日本最大のコンペ
平松 剛

文藝春秋 2008-06-10
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 これは、戦後日本最大ともいわれた東京都庁の建築コンペの話である。
実はこのコンペ、それまでの経緯を見ても、審査員の顔ぶれを見ても、
「天皇」丹下健三の事務所が圧倒的に有利で、当時は「出来レース」と
さえいわれていたそうだ。「ぶっちぎりで勝とう!」と連呼する丹下。
それに立ち向かうのが全9社のうち唯一の弱小?事務所、磯崎アトリエ
の磯崎新だ。

 丹下対磯崎、著者平松剛がなぜこの2人の対決に注目したのかといえ
ば、磯崎は丹下の愛弟子だったからだ。そして、この2人はその時すで
に、戦後日本を代表する建築家でもあったのだ。内容をコンペにしぼっ
て書く、という方法もあっただろう。しかし平松は、丹下の人生を描き、
磯崎の人生を描き、それによって、日本建築史のメインストリームを描
く道を選んだ。だから、コンペ結果のくだりなどはあっさりしすぎてい
て、ややおもしろ味にかける。ま、大逆転など起こるはずもない出来レ
ースですからね。それにしても、都側の意向も無視して、唯一「低層案」
をぶつけた磯崎、大した男である。ラストがとてもいいのだが、このラ
ストは読んでのおたのしみである。(No.81)

               ◯ ◯

2010.8.30 父親が建築家なのにうちは兄弟二人とも文系、どういうこ
とだろ?でも、建築はけっこう好き「建もの探訪」なんて録画して毎週
見てるもん。

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永江朗「狭くて小さいたのしい家」ガエ・ハウスができるまで!

ライター永江朗が書いた「たのしい家」の作り方。

狭くて小さいたのしい家狭くて小さいたのしい家
永江 朗 アトリエ・ワン

原書房 2004-08-25
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 楽しい本を読んだ。著者は永江朗、「不良のための読書術」「インタ
ビュー術!」などの本も出してる気鋭のライターだ。そんな彼が長年住
み慣れた世田谷の奥沢に自分の家を建てた。そのいきさつを書いたのが
この本。アトリエ・ワンというこれまた注目の建築家オフィスに頼んで
出来たガエ・ハウスは、屋根が大きなきのこみたいな家だ。あ、ガエと
いうのは、永江のガエ、である。

 こういう家づくりの記録というのは素人みたいな人もいろいろ書いて
いて僕も何冊か読んだが、とにかくくどい。いいたいことがいっぱいあ
り過ぎるのかもしれないが、読んでるうちにいやになってくる。その点、
永江さんはさすがだ。まず冒頭に彼がアトリエ・ワンに提出した「こん
な家にしたい!」という企画書をそのまま載せている。これで読む方も
どんな家をめざしているかがハッキリとわかるし、くどくど説明する手
間も省ける。

 というわけで、彼がめざしたのは「土地は小さい、予算も少ない、で
もがまんしない、妥協しないオンリーワンの家」。建築家とのやりとり、
そのプロセス、予算交渉などなど、リアルで愉快な家作り記。これから
家を建てる人はもちろんのこと、建てる予定などま~ったくない人もぜ
ひ読んでみて欲しい。なんだかその気になっちゃうかもしれませんよ。

               ◯ ◯

2010.7.30 昨日、今日と雨が降って一息つけた。でも、まだ7月の終
わり。8月は猛暑じゃなくて普通の夏をお願いします。よろしく!!!


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有田芳生「私の家は山の向こう」で、テレサ・テンの真実を知る。

精緻で徹底したリサーチと嘘のない言葉で綴るアジアの歌姫。

私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実 (文春文庫)私の家は山の向こう―テレサ・テン十年目の真実 (文春文庫)
有田 芳生

文藝春秋 2007-03
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 テレサ・テンには、あまり興味がなかった。歌はうまいとは思ったけ
れど、日本では演歌路線だったし、きちんと聴いた事はたぶん一度もな
い。作者である有田芳生さん(国会議員かぁ)のホームページは以前か
らチェックしていて、この人の真摯さがけっこう気に入っている。本を
書く時の態度もまさにそうで、構成や文体などいろいろ悩みながら書き
進めていることをブログで知っていたので、この本はぜひ読んでみたか
った。

 その死後にスパイ説などいろいろ出た彼女だが、一番重要なポイント
はテレサが台湾人であったことだ。中国に対する愛憎半ばする複雑な思
いが、天安門事件を境に激しい怒りへと変わっていく。その直前には、
中国から招待を受けていたテレサだが、事件の後は抗議のコンサートで
歌ったり、彼女なりの憎悪を募らせていく。台湾人だからこその「自由
への希求」がテレサにはあったのだ。スパイ説の真相、死の原因なども
含めてアジアの歌姫の真の姿を有田さんは精緻で徹底したリサーチと嘘
のない言葉で綴っている。そこにあるのは絶望と希望の間で揺れ動く一
人の聡明な女性の姿だ。その魂の一途さが強く心を打つ。今度は本当に
彼女の歌を聴いてみたくなった。

               ◯ ◯

2010.7.24 前言を簡単に撤回して悪いんですが、もぉぉぉ暑いっ!!
僕がよく見るウェザーニュースは晴れだと黄色い太陽なんだけど、猛暑
日は赤いギンギラの太陽になっちゃう。で、今、週間予報を見たら(
よ!
)えぇ!暑さのピークは週末に越えるんじゃないの??あかん…、
もうダメだ。

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光市母子殺害事件を描く「なぜ君は絶望と闘えたのか」が語ること。

強くはない男を支えた周囲の人々。そして、理不尽なものへの怒り。

なぜ君は絶望と闘えたのかなぜ君は絶望と闘えたのか
門田 隆将

新潮社 2008-07-16
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 こういうたぐいの本はあまり読まないのだが、このノンフィクション
は珍しく読んでみたいと思った。テレビで幾度となく見た本村さんの姿
とその言動に心を動かされていたからだ。もう一度、あの事件と裁判の
全貌を知るとともに彼の心の軌跡を追ってみたい、死刑判決が下るまで
の9年間、心の支えとなっていたものはいったい何だったのだろう?

 当たり前のことだが、彼もまた強い人間ではなかった。事件の後、会
社を辞めようとしているし、なんども自ら死のうと思っている。すべて
に絶望した男をまさに死の淵から救い出したのは周りの人々だった。退
職しようとした彼に「労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それ
はただの負け犬の遠吠えだ。君は、社会人たりなさい」と諭した上司と
のエピソードが特に印象に残った。彼の闘いはけっして孤独な闘いでは
なかったのだ。 

 犯罪被害者、という立場について書かれてる部分も心に残った。犯人
側は保護されているのに被害者は最初から実名で報道される。刑事訴訟
法には被害者の権利は書かれておらず、法廷に遺影さえ持ち込めない。
本村さんは犯人とだけではなく、様々なおかしさを正すために国や司法
やマスコミとも闘わざるを得なかった。そういう理不尽なものへの怒り
が彼を強くしたとも言えるだろう。死刑制度について考える意味でも価
値ある一冊だ。

◎「なぜ君は絶望と闘えたのか」は2010年8月28日、新潮文庫から文庫化されました。
なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫 か 41-2)
門田 隆将
4101231427


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