あの戦争を身近に感じる「その日東京駅五時二十五分発」。        

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

あの戦争を身近に感じる「その日東京駅五時二十五分発」。

その日東京駅五時二十五分発その日東京駅五時二十五分発
西川 美和

新潮社 2012-07-31
売り上げランキング : 2859

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 「夢売るふたり」の公開が迫っている西川美和監督の最新小説。タイ
トルだけでは内容がわかりにくいが、先の戦争の物語だ。1945年8月
15日、東京発のこの列車に乗り主人公の吉井は友人と共に西に向かう。
終戦のこの日、彼は故郷である広島に帰るのだ。吉井にとっての「戦争」
は一風変わったものだった。戦争末期に召集された彼は、陸軍情報の根
幹を握る東京の通信隊本部に配属される。そこで広島に「しんがたばく
だん」が使われたことを知り、どこよりも早く敗戦を察知。なんと通信
隊は玉音放送の前にさっさと解散してしまうのだ。

 実はこれ、まったくのフィクションではない、広島出身である著者の
伯父の体験が元になっている。吉井のこんなつぶやき、「ぼくは国家と
か民族とか、そんなものにほぼ何の関心も無い。ただ、怖い目にあわず
に、小さな安全を確保された場所で、ひっそりと自分の生活を守ってい
られればそれでいい」。戦争らしくない戦争体験と弱っちい通信兵であ
る主人公。だからこそ、これを読む僕らは彼がいる場所と地続きのとこ
ろにいる自分を感じる。彼の中に人間を感じ、戦争というもの、そこに
いた人々を身近に感じることができるのだ。

 広島に到着した吉井が見た故郷。その感慨が胸に迫る。同時に広島弁
で交わされるある姉妹との会話に人間のたくましさを感じる。あとがき
で、著者はこの小説は3.11と前後して書き進められたものだと語り、震
災を経験しなければ「全く別のものに仕上がっていた」と書いている。
伯父とのいきさつも綴られたこのあとがきも含めてこれは一つの物語で
ある。(No.211)
               ◯ ◯

2012.9.6 まだまだ暑いのに雨が降って、窓を閉め切っておかなくちゃ
ならないなんて、何ということでしょう。こんな時、ノーエアコンはつ
らい。読書は宮部みゆき「ソロモンの偽証 第一部」に突入。ドキドキ。

【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。他の書評ブログもここから。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

オクー

Author:オクー
コピーライターであるようだ。
吉祥寺にいるようだ。
そんなに若くはないようだ。
犬ブログもよろしく!

okuuuをフォローしましょう
更新情報はツイッター
フェイスブックで。
Akihiko Okumura

amazon
電子書籍で探す!
映画・ドラマなら
News
最新記事
お気に入りリンク
ブログランキング
blogram投票ボタン
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブログ村
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。