【書評】宮部みゆき「ペテロの葬列」        

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【書評】宮部みゆき「ペテロの葬列」

◇さすが宮部みゆき。構成の巧さ!広がる闇の深さ!
ペテロの葬列ペテロの葬列
宮部 みゆき

集英社 2013-12-20
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  「誰か」「名もなき毒」に続く杉村三郎を主人公にしたシリーズの第
3弾。彼が日本でも名高い今多コンツェルンのムコ殿であることがこの
物語の大きなポイントであることは間違いない(妻は外腹の娘だけど)。
しかも杉村は会長室直属のグループ広報室に勤務している。

 宮部みゆきはさすがに巧い。杉村が乗ったバスがバスジャックにあう
のが発端なのだが、この事件に早々に決着を付け、次に大きく展開して
いく、この辺りの構成が何とも見事だ。あまり詳細を書くとおもしろく
なくなってしまうから書かないが、物語は「悪」の連鎖が起こり、被害
者と加害者の関係が崩れ、大きな闇が広がっていく。その闇の深さ!こ
こにはまさに、人間の愚かさ、悲しさ、おかしさがあり、ネット社会を
含めたこの世の中の危うさがある。 

 ただ、個人的にはここで取り上げられた題材は少し古いような気がし
たし、作者にしては珍しく偶然性が多いストーリーになってるのが残念
だ。リアル、を感じない部分がある。

 さらに、誰もが驚くであろうラスト!作者自身、この主人公を愛しな
がらもどこかで息苦しさを感じていたのかもしれない。これだと当然、
続編があるわけだが、どういうスタイルになるのか、非常に楽しみだ。
(No.273)

◯宮部みゆきのその他の本のレビューはこちらから。 

            ◯ ◯

2014.2.17 雪かきした雪が家の前にたくさん残っている。水曜、木曜に
また雪の予報。やれやれ。五輪はカーリングばかり見てる。読書は越谷オ
サム「陽だまりの彼女」。これおもしろくなるのだろうか?不安。

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