リアルな渥美像が見える傑作、『おかしな男 渥美清』        

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リアルな渥美像が見える傑作、『おかしな男 渥美清』

小林信彦だからこそ書けた本物のポルトレエ。

おかしな男 渥美清 (新潮文庫)おかしな男 渥美清 (新潮文庫)

新潮社 2003-07
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 ワイドショー好きのおばさん(おじさん)がこの本を読んだら「渥美
清ってさぁ、寅さんみたいじゃなくて、けっこう無愛想でヘンな人だっ
たらしいわよぉ~」なんてこと言うんだろうな。小説家であり、喜劇や
映画への造詣が深い小林信彦の「おかしな男 渥美清」は、長年交流が
あった渥美について、著者自身が「実際に見聞きしたことだけを書く」
というポリシーのもとに書き上げた「ポルトレエ(肖像、性格描写)と
でも称すべきもの」だ。

 この本で描かれる渥美清は、(当然のことだけど)寅さんとはまった
く違う。野心家で、勉強家で、心の奥底に深い闇を抱えた男だ。車寅次
郎というキャラクターに出会ったとき、「これで天下を取ってみせる」
と豪語した渥美。彼の野心は、国民的人気俳優になることで達せられた
ようにみえたのだが、そうなっても彼は「何かを恐れるような生き方」
をずっとしてきている。そこが僕には、何だかやたらとカッコよく魅力
的だった。

 この本がいわゆる「喜劇人の伝記」と一線を画しているとしたら、そ
の理由は著者にある。小林信彦には渥美清と同類のニオイがする。性格
も非常に屈折してるし、孤立をいとわない生き方をしている。だから、
渥美に対し愛憎相半ばするところがあるのだろう。それがこの本の複雑
な味わいにつながっている。

 ラスト近く、病気をおしてのロケ地で、寅さ~ん、と手を振る見物人
を無視し「いいんだよ、もう。おれはなにも欲しくない。ファンもなに
もいいよ」とつぶやく渥美の姿には、やはり強く心を打つものがあった。

◎「おかしな男 渥美清」は2016年7月6日、ちくま文庫から新たに文
 庫化されました。
おかしな男 渥美清 (ちくま文庫 こ 4-20)

おかしな男 渥美清 (ちくま文庫 こ 4-20)

  • 作者:小林 信彦
  • 出版社:筑摩書房
  • 発売日: 2016-07-06


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はじめまして♪

ブログへのご訪問ありがとうございました。
小林信彦のファンなんですよね、私。日本の本が高価すぎて
なかなか手に入りませんが。これからも本の紹介記事を参考にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
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